トーキョー・レガシー・ワンダーランド【vol.54】伏見稲荷大明神@西新宿5丁目

巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。
懐かしくて心惹かれる、うるわしの東京アーカイブズ。

東京に出てきてほどなく、50ccのバイクを中古で購入した。都内の移動にはだいたいそのバイクを利用していた。その後、バイクから自転車にかえた。理由は太りだしてきたので、自転車のほうがダイエットになると思ったからだ。

最初に自転車を購入したのは下井草の早稲田通り沿いにあるワンルームマンションに住んでいたときだ。近所の自転車屋さんで約10万円弱で購入した。けっこう高価な自転車なので、2階に住んでいたけれど、いつも部屋まで持って入っていた。このマウンテンバイクではかなりの距離を走ったが、いっこうに痩せなかった。

そのころよく通っていたのが、新宿の十二社(じゅにそう)通りだ。下井草から渋谷方面へ行くとき、青梅街道へ出て、十二社通りを走り、甲州街道まで行き、そこから明治通りへ出ていた。十二社通りからは、当時建設中だった東京都庁がよく見えた。

ほどなく、高円寺の早稲田通り沿いに引っ越した。都庁ができて都庁脇の道も走れるようになったけれど、相変わらず十二社通りを走った。しかし、高円寺に住んでいたとき、自転車置き場に置いていたマウンテンバイクを盗まれた。ショックだった。自転車生活をやめようかとも思ったけれど、そうしなかった。今度は安い自転車を買った。これなら盗まれても悔しくない。で、やはり自転車生活をしていると自転車は盗まれる。防犯登録をしていたので、安い自転車の場合は出てくる。しかし、遠くで発見されたりして、わざわざ取りに行くのは面倒なので、権利を放棄したりした。

四谷に引っ越しても自転車生活は続く。しかし、痩せるどころか、このころは体重が120キロにもなっていた。
ここでも何度か書いているが、2003年、45歳のときに糖尿病だと診断される。
そこで、歩くことが病気にいいと医者に言われ、自転車を知り合いにあげて、徒歩生活に入った。

もともと、電車などに乗るのがいやなので、自転車生活を続けていたというところもあったので、徒歩移動生活になってもできるだけ、徒歩で移動した。四谷から早稲田に引っ越し、その後、富久町に住んだ。住まいは青梅街道沿いだった。

妻が西新宿のタワーマンションが勤め先だったときは、毎朝、いっしょに西新宿まで歩いた。
そのため、十二社通りあたりをよく歩いた。自転車で走ったころは気がつかなかった、ビルの谷間にある小さなお稲荷さんも見つけた。

ビルの間にひっそりと建っている鳥居。旗には「正一位伏見稲荷大明神」とあった。

先日、久しぶりに十二社通りへ出かけたが、なんと、この一帯が工事中となっていた。

再開発後、この神社がどうなるのかわからないが、こちらの高層ビルは2022年10月だそうだ。また、見に行ってみよう。
 

BACK  NEXT

 
【引っ越しのお知らせ】
当サイトにて連載中の「トーキョー・レガシー・ワンダーランド」は、ピースオブケイクの運営するサイト「note」への引っ越しすることになりました。

全話が見られるのはnoteだけで、当サイトでの掲載はピックアップとして1~5話と直近の5話の掲載を予定しております。
引き続いてのご愛読、よろしくお願いいたします!

この連載について

初回を読む
巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。