トーキョー・レガシー・ワンダーランド【vol.41】スパゲッティキング@新橋

巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。
懐かしくて心惹かれる、うるわしの東京アーカイブズ。

スパゲッティキング@新橋

ここのところ、かつてニュー新橋ビルにあったナポリタンが食べられる喫茶店「サンマルコ」「ポワ」について書いたが、今回はもうひとつ、「スパゲッティキング 」について書こうと思う。

こちらのナポリタンは喫茶店のそれではなく、ジャンル的にはロメスパということになる。つまりロメスパのチェーン店だ。
ロメスパとは、路面にあるスパゲティ店で立ち食いそば屋のように気軽に入れるお店だ。

お店はけっこう賑わっていたのだが、ネットの情報によれば2017年11月に閉店したそうだ。

ところで、こちらのお店「スパゲッティキング」という店名なのだけれど、「スパゲッティ」という表記だ。これに対して、「スパゲティ」という表記もある。小さな「ッ」が入る「スパゲッティ」なのか「スパゲティ」なのか気になって、ネットで検索してみたら、どちらでもOKのようだ。

大盛りができるのがロメスパの特徴でもあるのだが、こちらのお店は「小」「中」「大」の大きさがあり、その上に「キング」というサイズもあった。

筆者はナポリタンの「小」をポチッとな。

おお、小松菜が入っている。
ロメスパの名店である有楽町の「ジャポネ」のナポリタンにも小松菜が入っているので、それに似ているなと思って食べた。
実は僕も「ジャポネ」をまねて自宅でつくるナポリタンに小松菜を入れてみたのだが、なかなか「ジャポネ」のようにはならなかった。
「スパゲッティキング」も「ジャポネ」に寄せてきているが、どこか違っていた。

卓上には巨大なタバスコと粉チーズがあった。
こういうビジュアルはけっこう興奮するね。

もちろん粉チーズとタバスコをかけていただいた。
悪くはないが、行ったのは一度切りだった。
新橋に職場があったりしたら、もっと行っていたかもしれないが、わざわざ新橋まで行って食べるほどではなかったように思う。
ここじゃなければ食べられないという強烈な個性がなかったのだろう。

だから、ここが閉店してしまったのを知ったときもさほど落胆はしなかった。
かつてロメスパといえば、有楽町の「ジャポネ」や大手町の「リトル小岩井」ぐらいしかなかったが、今やチェーン店も増え、「パンチョ」や「バルボア」などもあちらこちらにできている。
個人的には、家の近所にある「カルボ」が好きで、よく行っている。

浅草3丁目。この看板がまず好き。

麺がちょっと焦げているのがなんともおいしい。ここが無くなると困るかな。
 
 

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【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。