『名馬の人災史 潰された素質馬たち』渡辺敬一郎


人の欲望から大成を阻まれた幻の名馬たち。
隠蔽された不都合な真実を追う!

【内容】
第一章 名馬の人災
1、心臓が止まっても走り続けたサチカゼ
 過度の期待を背負わされた
 晴れの舞台に強行出走
 ゴールまで辿り着いたが……
2、オーナーのエゴで三冠を逃したタニノムーティエ
 情熱を注ぎ、成功を手にしてきた
 スパルタ調教で鍛え上げる
 フロック視されたダービー
 神懸りの眼力で素質を見出す
 完璧なサラブレッド
 劣悪な環境で喘鳴症を発症
3、雪の野に倒れたテスコガビー
 テンよし、中よし、終まいよし
 復帰への道半ばで急死
4、誘拐後、射殺されたシャーガー
 ヨーロッパ中が騒然
 犯人は逮捕されたが……
5、独裁者、和田共弘
 「最強馬」を輩出した男
 特別ルールの麻雀で大賑わい
 「皇帝」を壊した
 岡部に乗ってもらうために厩舎変更を画策
 最悪の時期に生まれたマティリアル
 スプリングステークスで燃え尽きた
 放牧で神経衰弱状態に
6、目先にこだわって栄光を逃したバブルガムフェロー
 吉田が太鼓判を押したダービー候補
 不安を押して出走に踏み切る
 クラシックを目前にして故障
第二章 走る安馬と走らない高馬
1、距離・条件を問わず活躍したタケシバオー
 誰にも期待されていなかった雑草馬
 早い時期から活躍し、クラシック候補に
 血統論者を黙らせた
2、混戦に乗じて栄光を勝ち取ったダイシンボルガード
 抽選馬への妨害
 レース中にコースヘ飛び出した
 父は三流、母も三流
3、無名種牡馬シプリアニ
 活躍する要素のなかったヒカルイマイ
 下馬評を覆し、クラシック候補に
 二〇頭以上をごぼう抜き
 戦後最強の牝馬・トウメイ
 安定した戦績でクラシック候補に
 牝馬がフリーハンデ六四キロを獲得
4、逃げに逃げて栄冠を勝ち取ったカブラヤオー
 菅原康夫の栄光
 我が道を行き、二冠に輝いた
5、日本馬の意地を見せたカツラギエース
 誰もが「ルドルフが勝つ」と思っていた
 実績はあるが、人気にならない
 秘密兵器のメンコで勝負
6、裸足の女王・イソノルーブル
 クラシックと無縁の無名牧場
 桜花賞から一転、能力全開で樫の女王に
7、坂路の申し子・ミホノブルボン
 鍛えることができれば強い馬ができる
 スパルタ調教で距離不安を克服
8、何もかもうまくいったサニーブライアン
 日陰の騎手にやってきた幸運
 不利な枠に入ったことで開き直った
 ツキがツキを呼んだ
9、なぜか本番に強かったヒシミラクル
 「二勝できればいいが」
 前哨戦惨敗、本番快走
10、走らない高額馬
 高額馬が勝つとは限らない
 三億二〇〇〇万円の駄馬
 一流血統の駄馬
第三章 競馬を巡る人間悲喜劇
 民間蔑視のJRA
 政治権力で中央競馬会理事が決められた
 死んだはずの母親から生まれたワカクモ
 競馬を捨ざるをえなかった田中角栄
 栄誉を金で買おうとした上田清次郎
 消え行く裏町紳士
 藁をも掴もうとする心理につけ込むコーチ屋
 拾い屋一家の家族経営
 オケラ街道の偽物売り
 詩人・寺山修司の残したもの
 平成になって表面化した名義貸し事件
 本当の悪とは
 ダービー馬の馬主が自殺
 覚醒剤で逮捕され、追放された田原成貴

【著者】
渡辺敬一郎(わたなべ・けいいちろう)
1936年、千葉県に生まれる。早稲田大学文学部中退。競馬評論家・大川慶次郎氏に師事し、競馬専門誌「ダービーニュース」編集長を務める。1966年に退社し、執筆活動を開始。
著書には『欧州黄昏競馬』(ミデアム出版社)、『海外競馬に行こう!』(東邦出版)、『ヨーロッパのカフェテラス』(徳間書店)、『最強の名馬たち』『平成名騎手名勝負』『強すぎた名馬たち』『日本競馬 闇の抗争事件簿』など。
電子書籍『名馬の人災史 潰された素質馬たち』『星になった名馬たち 関係者が語る隠された真実25』『競馬の裏事情 疑惑の闇歴史』『日本競馬 闇の抗争事件簿』『強すぎた名馬たち 知られざる惨事の真実』など。

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