巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。
懐かしくて心惹かれる、うるわしの東京アーカイブズ。
サンマルコ@新橋
ニュー新橋ビルというのが新橋駅前にある。SL広場のすぐ隣だ。かつてこのビルにはナポリタンを出すお店が多く入っていた。
2015年当時、僕はこのビルのナポリタンを食べ歩いた。まずは、一階に「むさしや」さん。ここは現在も人気店で行列が絶えない。ただ、以前はナポリタンを注文するお客さんが多かったが、今はオムライスが一番人気だ。
同じく1階にあった「スパゲティキング」。ロメスパ系の焼きスパゲティを出すチェーン店で、そこそこ繁盛していた。
ロメスパのロメは路麺ということで、スパはスパゲティのこと。すなわち立ち食いソバのように気軽に食べられるスぺゲティということになる。その代表的なお店が有楽町の「ジャポネ」というお店で、そこのナポリタンには小松菜が入っているんだけど、「スパゲティキング」のナポリタンにも同じく小松菜が入っていた。
しかも、大きさがいろいろ選べて、小、中、大とあるのだが、その上にキングという激盛りも用意されていた。
僕は小をいただいたが、それでもそこそこの量があった。今回、ナポリタンの単行本を書くために訪れたら、残念ながら閉店していた。ネットで調べたら2017年11月に閉店したようだ。
食べログ情報はこちら。
さらに2階に上がると、ポワという喫茶店があった。
こちらのナポリタンは、まさにこれこそ喫茶店のナポリタンというものだった。茹で置きされた太麺がケチャップとともによく炒められていた。
先日、行ってみたところシャッターが閉まっていた。
食べログはこちら。
ネットの情報によれば2018年10月に閉店したそうだ。
実は2階にはもう一軒、ナポリタンを出す喫茶店があった。
サンマルコという喫茶店。
プレジデントオンラインで、「なぜ新橋界隈のパスタは”粘度が高い”のか | プレジデントオンライン」という記事を書くためにサンマルコのマスターに新橋のパスタについて聞こうと思った。
念のため食べログを見てみると、
閉店や掲載保留にはなってなかったので、出かけてみたが、お店そのものがなくなっていた。
サンマルコのナポリタンは家庭的な味わいだった。
味噌汁や小鉢が付いてくるのもよかったんだけどね。
もうこれらのナポリタンがいただけないというのはなんともさびしい。
しかし、新発見もあった。ニュー新橋ビルの2階に「飲み処 うみねこ」というお店があって、そこで、ランチ時にはナポリタンを出していた。なんだか、ニュー新橋ビルのナポリタンが守られているようでホッとしたよ。
【引っ越しのお知らせ】
当サイトにて連載中の「トーキョー・レガシー・ワンダーランド」は、ピースオブケイクの運営するサイト「note」への引っ越しすることになりました。
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【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。