『海外競馬挑戦列伝 世界に挑んだ名馬の蹄跡』木古場 純


栄光、惨敗、死闘……
ハクチカラからオルフェーヴルまで。
世界を相手に遠征し、夢を実現した者、失意にまみれた者……
歴戦の猛者の雄姿がいま蘇る!!
戦後の遠征全記録年表つき!

【本文より】
日本馬が凱旋門賞に挑戦しはじめたころ、遠征結果は惨憺たるものだった。ほとんどの馬がゴールした後で、息も絶え絶えになってゴールする日本馬の姿を見た欧州のホースマンは、「東洋の馬は、いったい何をしに来たんだ」と嘲笑った。
しかし、日本馬は強くなった。日本で開催されるジャパンカップにおいては、かつてにように外国馬に不覚をとるようなことはなくなり、ドバイ、香港など、世界各地のレースにおいて、日本馬はいくつもの栄冠を勝ち取っている。
それでもなお、凱旋門賞は勝つことができない。深い芝、世界屈指のタフなコース、あるいは欧州ホースマンのプライドが、日本馬の優勝を阻んでいるのだ。

【内容】
日本馬の世界制覇を阻むものは何か――まえがきに代えて
第一章 海外遠征の礎を築いた名馬
 ハクチカラ――海外遠征のパイオニア
 スピードシンボリ――欧州にまで足を伸ばした老雄
 シリウスシンボリ――2年半もの長期遠征をこなしたタフガイ
 シンボリルドルフ――期待と失意のアメリカ遠征
第二章 悲劇の海外遠征史
 ホクトベガ――砂漠の国に散った砂の女王
 サクラローレル――前哨戦の仇花
 マンハッタンカフェ――一瞬の夢
第三章 涙を呑んだ名馬
 オルフェーヴル――開きかけた「重い扉」
 キズナ――父の無念を胸に走る
 ディープインパクト――実力を出し切れなかった日本の至宝
 エルコンドルパサー――掴みかけた栄冠
 ナカヤマフェスタ――「たら」「れば」と言わずにいられない激走
 ハーツクライ――最強馬を破った実力は世界でも強かった
 カジノドライヴ――米国クラシック出走を義務付けられた超良血
第四章 栄冠を勝ち取った名馬
 ステイゴールド――ファンを魅了した冒険譚
 ヴィクトワールピサ――日本を勇気づける快挙
 タイキシャトル――世界最強マイラーの座
 シーキングザパール――狙いすました日本調教場初の欧州GⅠ競走制覇
 アグネスワールド――1200メートルでも長かった超スプリンター
 ロードカナロア――短距離に強い香港勢の牙城を崩した
 シーザリオ――ジャパニーズ・スーパースター
 エイシンプレストン――誰よりも香港を愛した男
 アグネスデジタル――いくつもの金星を海外でも輝かせた
 ハットトリック――気分屋は種牡馬としてなお輝いた
 ルーラーシップ――種牡馬としての未来が約束された馬が得た勲章
 フジヤマケンザン――努力派が花を咲かせた
 コスモバルク――走りに走って辿り着いた終着駅
世界制覇に向けて、やれることは何か――あとがきに代えて
〈遠征年表〉

【著者】
木古馬 純(きこば・じゅん)
編集者。ライター。競馬関連ほか、多くの書籍編集をしたのち、独立。著述業をはじめる。競馬歴22年。

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