『競馬の裏事情 疑惑の裁定史』渡辺敬一郎

八百長、誤審、隠蔽……
闇に葬られてきた事件の真実を暴く!

【本文より】
「歴史は史実を多く知っているからと言って書けるものではない。集めた史料を整理し、駆使するには、史観というものがぜひとも必要だ」
たとえ競馬、六〇年の歴史とはいえ、私にもそれが必要かと思う。私の競馬に対する史観は、競馬とは馬の競走を通して、人間社会が持っている善悪、正数と負数、表と裏、ピンからキリまでが、全部出た象徴の世界だ、ということだ。とくに裏、陰の部分がおもしろい。人間の本性が出ているからである。
しかし、これまで出版されている競馬の関係書は、ありきたりの名馬の物語か、そうでなければ、馬券作戦の本だった。だから私は本書で、本当に人間の本音が出た競馬の闇の部分を、名馬名勝負を扱った拙著『最強の名馬たち』(講談社)同様に、等身大で書きたいと思った。

【内容】
競馬は影の部分がおもしろい――まえがきに代えて
第一章 八百長事件に潜む闇
 ギャンブルの裏側
 水一杯で能力が激減
 ヤクザの親分にそそのかされる
 明るみに出た八百長事件
 大本命の競走中止で大混乱に
 レースを捨てた騎手にファンが暴動を起こした
 やましい人間は過剰に反応する
 日本中央競馬会の信頼を失墜させた事件
 戦後最大の八百長
 競馬の素人が記事を書いた
 動機は善意だった
 疑わしきは罰せられる
 甘い誘いに乗ってしまった
 「華麗なる一族」との闇取引
 異例のレース直後の記者会見記者
 大崎昭一の八百長疑惑
 保安部の「ノルマ主義」の犠牲になった
第二章 ノミ屋が中央競馬会を席巻した
 ノミ屋のビジネスモデル
 「企業努力」で顧客を獲得
 「豪商」の構図
 ノミ行為が認められていた時期があった
 裁判で認められたノミ行為
 JRAの放漫経営が招いた危機
 真剣勝負のブックメーカーのオッズ
 投票の多様化とともに存在価値を下げた
 個性的なノミ屋の面々
 五分遅れのカラクリ
 東西のヤクザが一触即発状態に
 億単位の儲けで豪遊
 ノミ稼業の帝王
 帝王の大勝負
第三章 疑惑の裁定
 人為的なミスで巨額損失
 確定するまで馬券を捨ててはいけない理由
 掲示板の表示にファンが騒然
 闇に葬られた判定写真
 一着賞金を差し出して詫び入れ
 地に墜ちたJRAの信用を取り戻した
 審議と関係のない馬が失格処分
 ゴール板を間違えて二着敗退

【著者】
渡辺敬一郎(わたなべ・けいいちろう)
1936年、千葉県に生まれる。早稲田大学文学部中退。競馬評論家・大川慶次郎氏に師事し、競馬専門誌「ダービーニュース」編集長を務める。1966年に退社し、執筆活動を開始。
著書には『欧州黄昏競馬』(ミデアム出版社)、『海外競馬に行こう!』(東邦出版)、『ヨーロッパのカフェテラス』(徳間書店)、『最強の名馬たち』『平成名騎手名勝負』『強すぎた名馬たち』『日本競馬 闇の抗争事件簿』など。
電子書籍『名馬の人災史 潰された素質馬たち』『星になった名馬たち 関係者が語る隠された真実25』『競馬の裏事情 疑惑の闇歴史』『日本競馬 闇の抗争事件簿』『強すぎた名馬たち 知られざる惨事の真実』など。

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