お地蔵さんぽ【vol.39】馬頭観音@綾瀬

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

馬頭観音@綾瀬

『散歩の達人』(交通新聞社)で連載している“町中華探検隊がゆく”で、足立区綾瀬のお店にうかがった。

足立区綾瀬4丁目にある「味好(あじよし)さんだ。その駐車場にこんなものがあった。

お店の方にうかがうと、これは馬頭観音なんだとか。
お地蔵さまではないけれど、今回は馬頭観音をご紹介しよう。
お店の方によれば、このお店のある一帯はかつて馬の生産地だったそうで、馬を供養するために馬頭観音がつくられたのではないかとぼことだ。
馬頭観音はもともとヒンドゥー教の神様で、それが仏教の菩薩のひとつになったようです。

お花などが供えられ、お世話されていることがわかる。お賽銭をあげて、手を合わせる。
石に描かれた馬頭観音はかなり薄くなっていることからも時代が経過しているのがわかる。
現在は車が行く道だけれど、かつてはこの場所に馬が走っていたのかと思えば不思議な気分になるなぁ。
地蔵だけではなく、こうして昔からのものが路傍にたたずんでいる風景をできるだけ記録していきたいと改めて思った。

それにしても、こちらの町中華もおもしろいお店で、たとえば「さぶちゃん」というお客さんの名前をメニュー名にしている。

一応、「肉とキャベツのニンニクみそ炒め」という説明がある。

これが「さぶちゃん炒め」ですよ。おいしかった!
個性的なお店で、こんな貼り紙もあるのです。

車で走っていても、目に留まるようにと貼られたそうだ。なんか、すごい。
路傍ある馬頭観音はこちらのお店の守り神なのかもしれない。
そうやって眺めるとまた、感慨深いものがある。
今は車社会だから。この大きな文字を見て入ってきてもらいたいとのこと。
とてもいいお店なので、また訪問したい。
その時もまた馬頭観音をお参りしたい。
 
 

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この連載について

初回を読む
人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。