トーキョー・レガシー・ワンダーランド【vol.5】江古田駅周辺@西武池袋線江古田駅

巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。
懐かしくて心惹かれる、うるわしの東京アーカイブズ。

* * *

11年前の江古田駅

80年代の後半、北尾トロらとともに編集プロダクションをやっていた。
編集プロダクションといっても、単に仕事場を共有していただけで、
荻窪にある雑居ビルで、ワープロなどを置いて思い思いに仕事をしていた。
仕事場だけれど遊び場でもあった。ギターなどを持ち込んで、演奏もしていた。
編集プロダクションのメンバーがそのままバンドメンバーになった形だ。

ところが、あるとき他の部屋の住人から「楽器の音がうるさい」という苦情を受けた。
そこで、僕らはバンド専用の楽器の音が出せるところを借りようということになった。
防音設備のある部屋というのは、音大の近くにあるんじゃないかと誰かが言い出し、それじゃ江古田だということで、駅前の不動産屋で、部屋を探した。
楽器を置くだけなので、風呂なしでいい。駅から近いほうがいいかな。
というわけで部屋はすぐに決まり、そこを何年か借りることになった。
今から考えれば、荻窪から通うのも大変で、さして利用しないまま、昭和の終わりか平成のはじめごろに解約した。

その後もちょいちょい江古田にはやってきたのだが、その画像がパソコンのハードディスクにしっかり残っていたのは2006年10月5日のものだ。
オールアバウトの散歩記事を書くために訪れていた。

江古田~高田馬場 雨とレトロ喫茶店の散歩 (全文) [散歩] All About

画像は江古田駅の構内から始まっている。

北口が日本大学、武蔵野音楽大学、南口が武蔵野大学とある。この日は、南口から歩き始めた。

2011年に駅舎は建て替えられたようだ。

今回、この記事を書くために2017年8月25日に撮影しに行った。

新しくなった駅舎の南口がこちら。

今の南口は以前のものよりも少し池袋よりになったようだ。
いま、交番があるあたりが以前の駅舎の入り口だったのではないかと思う。

というのも、僕の記憶が正しければ、南口を出ると真ん前にマクドナルドがあったからだ。

マクドナルドは今もある。昔と内装は変わっているが、場所は同じだと思われる。

このマクドナルドは、昭和の終わりごろ、僕たちがバンドの練習場と借りていた時代からあった。

なくなったのは、こちらの「トキ」という喫茶店。

2006年の画像。開店前で、シャッターが閉まっている。まだ廃業しているわけではなく、開店していないだけだ。

そして、いま。2017年の同じ場所。

「トキ」が僕を魅了したのはこちらの看板。

昭和33年というのは、僕が生まれた年。
なので、ああ、この喫茶店は僕と同じ年なんだって、思ってたんだけどねぇ。
多くの人に惜しまれながら、2013年の5月に閉店した。

有名なのはナポリタン。

580円は安い。

普通盛りでもけっこうなボリュームですが。。。。

150円の大盛りにすれば、こんなかんじ。

他にもなくなったお店がある。こちらの洋包丁。

2006年のオールアバウトの散歩では、江古田から高田馬場まで歩いている。
この材木が置かれている店は、僕らが部屋を借りているころからあった。

当然ながら今回の2017年の散歩でも同じように存在した。以前と同じだ。

この横断歩道を渡った場所にバンドの練習で借りていた部屋があった。
そして、東長崎にへ向かう途中にあったこの店。

このころから、こういったペーソスあふれる町中華は好きだったんだね。

今はあるのかどうか、行ってみた。

おお、あったよ。感動。
しかも、営業中。
お店の名前が大きく「新京」とあった。

久しぶりにエアコンのない町中華にやってきた。
扇風機の風にあたりながら、注文したのは冷やし中華。

注文を受けてから卵をフライパンで焼く。焼いたらまな板の上に置いて、うちわで仰ぐ。
皿は冷蔵庫から取り出していた。そこへ盛り付けて、出された。
普通においしい。

やっていらっしゃるのは高齢のご夫婦だ。
いいお店だった。できるだけ長くやってほしい。

街を歩くと、変わったもの、変わらないものいろいろあるのが、またおもしろい。

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当サイトにて連載中の「トーキョー・レガシー・ワンダーランド」は、ピースオブケイクの運営するサイト「note」への引っ越しすることになりました。

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この連載について

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巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。