『神様の贈り物』春木美子 ちふみ


戦争がなければ――。
被爆体験者、原爆の語り部たちの声に心揺さぶられ、平和への想いを綴る。





【内容】
遥か遠い空の上に、戦争でひとりぼっちになってしまった子どもたちがいます。神様は一年に一度、桜の咲く時期になると子供たちを桜の花びらに変え、地上の親の元へ帰していました。
家族のいないサトルは、その様子をいつもさみしく見送ります。
ある日、人間界に通じる穴を見つけたサトルは足を滑らせ、人間の姿をしたまま地上に降りてしまいます。
するとそこは、かつて母と暮らしたヒロシマの街でした。満開の桜の下、小さな女の子がサトルに声を掛けると、おじいちゃんのもとへ連れて行ってくれました。おじいちゃんは、原爆で亡くなった弟のマモルと瓜二つのサトルを見て驚き、思わず抱きしめます。
神様は空の上からその様子を見つめながら「戦争はだれも幸せにはしない」とつぶやきました。

【著者】
春木美子(はるき・よしこ)
広島県出身。20代から看護師を続けている。被爆体験がある患者さんや被爆の語り部たちの話を聞き、平和への想いを文章にしたいと思った。

電子書籍を読む!