大きな金融危機が起きる3つの条件
野村総研のリチャード・クー氏は米国のバランスシート不況と日本のバランスシート不況(「失われた20年」)を両方とも体験し、日本のその処理の方法について時の政権に苦言を呈してきた。
彼は、大きな金融危機が起きる3つの条件として次のことを挙げている。
(「マンデー・ミーティング・メモ」2018年9月18日号)。
筆者が要約する。
大きな危機が発生するには、
①利上げのような金融環境の変化
②評価の定まっていない新金融商品の出現(過去の例で言えば、サブプライムローン、中国のシャドーバイキング、古い例で言えば英国の南海開発会社等々)
③多くの金融機関が同時に同じ問題を抱える
この条件がそろった時に起きる可能性が高いということになる。
先進国の量的緩和が原因で新興国に入ってきた資金は、先進国の量的緩和の解除が動けば出ていくのは当然のことであり、全て予測できた事態に対して新興国の政府当局が何の手も打たなかったというのはむしろ驚きの事態である。
トルコのように中央銀行が手を打っても大統領がそれを妨げたという例もある。
【重要なお知らせ】
「まぐまぐ!」でご好評いただき、殿堂入りの誉れを賜った「投機の流儀」ですが、このたびピースオブケイクの運営するコンテンツサイト「note」にも掲載する運びとなりました。
それにあたり、あらためて自己紹介代わりにインタビューをしていただきました。
ぜひともご笑覧ください。
なお、デンショバでの連載は、ピックアップ記事として継続することになっています。
引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。
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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。
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