霞ヶ関文学の「真髄」
8月5日号の「焦らずとも買い場は来る」の項目で述べたが、これについて今のうちから申し上げておかねばならない。
「内閣府が景気は『拡大期』から『後退期』に入り『収縮期』に入ったということを発表してから(つまり後手に出る)景気が『谷』を付けて景気先行性を持つ株価が猛烈な反発を始める。
その前に買う。
つまり先手をとる。
下降中、反発前に買い下がって行くのだ、という意味で「後の先」と言った。
このことはセミナーで詳しく述べた。
ところが、実は内閣府は『拡大期』から『後退期』に入った、とは直接には直ぐには表現しない。
経済月例報告は必ず閣議を通すから、露骨な景気の陰りを表現するのを政権が嫌うからだと思う。
そこで「拡大期から後退期に入った」と言わずに「緩やかに拡大基調をたどりながら調整に入った可能性がある」と表現する。
そして次には「可能性がある」の文言を消す。
これは「拡大期は終わった」の意であり従って「後退期に入った」の意である。
こういう表現を「霞が関文学」という(むろん、揶揄を込めて)。
従って、霞が関文学の真意を知らないと、買い場に備えて身構えることを気付かないで過ごす。
そして事後になってから「あの時が経済指標は後退期に入っていた」と発表する。
これまた「霞が関文学」の神髄だ。
【重要なお知らせ】
「まぐまぐ!」でご好評いただき、殿堂入りの誉れを賜った「投機の流儀」ですが、このたびピースオブケイクの運営するコンテンツサイト「note」にも掲載する運びとなりました。
それにあたり、あらためて自己紹介代わりにインタビューをしていただきました。
ぜひともご笑覧ください。
なお、デンショバでの連載は、ピックアップ記事として継続することになっています。
引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。
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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。
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