投信運用者の相場観はまったく当てにならない
標記の件は本稿で何度も述べたし、セミナーでも何度も語ってきた。
彼らが明るい見通しを言わなければ、投信を得る営業マンは立つ瀬がない。
彼らは、明るい見通しを言わなければならない宿命がある。
言うこととやることとは別であることが多い。
社員が投資信託を売って歩くのだから、常に明るい見通しを語っていなければ、常に高値志向でなければならない、という宿命からは逃れられない。
ちなみに4人ほど列挙する。
●JPモルガン証券
安倍政権を巡る政局の不安定を挙げ、6月警戒感を語っているが、今年度の高値は「10月から11月に26,000円」と言う。
●三菱UFJ投信
円高リスクが105円があり得ると語っていながら「12月の高値は25,000円だ」と言う。
●BNPパリバ香港
原油高や地政学リスクを重荷としているから21,000円から23,000円のレンジの相場だと言っていながら「10月から12月の高値は25,000円だ」と言っている。
●ファイブスター投資信託
インフレ圧力の強まりを警戒し企業業績を下押しする懸念が強まっているとしながらも、7月から8月の高値は24,000円24,000円だと言っている。
言うのは自由である。
責任はない。
では彼らが本当にそれを目指して買っているのかどうかが問題なのである。
本稿で何度も述べた“What he says”は参考までに聞き置くとして“What he does”をこそ見なければならないと言ってきたのはこのことだ。
この連載について | |
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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。
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