投機の流儀 セレクション【vol.70】朝鮮半島の南北会談について

朝鮮半島の南北会談について

1953年の休戦協定を平和協定に変えたと述べたが(テレビや新聞でもそう述べているが)、実際には休戦協定は南北間で行われたわけではなく、1950年から53年の朝鮮戦争は米ソの代理戦争であったから米・中・ロでの休戦協定であったはずである。
したがって、南北間で休戦協定を平和協定にしたというのは本当は不正確な話しだ。
29日号で何度も述べたように、核廃絶といってもリビアのカダフィ大佐がやったような徹底した方法でやらなければまったく信用は出来ない。
南北朝鮮は期日も示さない。
方法も示さない。
しかし、これは米朝対談の時に、本番で決めてトランプの手柄にさせようというトランプに対する遠慮があるのではなかろうか。

筆者が見るところ、あの若い「ロケットマン」は、実は冷酷で賢明な戦略家である。
兄を暗殺するほどの冷酷な戦略家である。
バカでない。
そのぐらいのことは考えるかもしれない。
そうなるとトランプは「オバマもクリントンもブッシュも出来なかったことを俺がやった」ということになり、11月の中間選挙に対する大きな布石となる。
核廃絶は期日や方法を明示してこそ信用出来るからだ。

ところで、南北会談や米朝会談が話題になっている時に日本は憲法9条を話題にしている。
日本だけが蚊帳の外だという感じを受ける。
歴代首相の中で最も多くの国を訪ねたのは安倍首相だが、こういう国際情勢の中で安倍首相は中東方面の外交に出かけたというのは少々方向違いではなかろうか。
朝鮮半島に赴くべきだった。
直接眼に見える効果は勿論出せないだろうが首脳同士は会う回数を重ねることによって気脈を通じ合うものだからだ。

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この連載について

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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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