短期的なトレンドやボトムの形成者――「株と絵は遠くから見よ」
「脱デフレ」が本当に達せられれば、ブラック・スワンがない限り日経平均3万円は不思議はない。
が、いくつかあるリスクのうちの二つが同時に起きれば全てのシナリオは消滅する。
日本企業はプラザ合意の250円時代から10年間で79円台まで行った、この期間に輸出企業はよく頑張った。
健気に頑張ったと言いたいが、その裏に強烈なダイエットに励んできたことは事実だ。
コスト削減で損益分岐点を大幅に下げ、人員削減した、その分が今年の就職率最高となったのだ。
あながち好景気が続いたからだけではない。
この3~4年間で日本株の保有主体は変わっているはずだ。
詳細に調べたわけではないが、今の状態ではそれほどはっきり言えると思う。
GPIF、日銀の買いが続いている以上、海外投資家の保有分は減っているはずだ。
売買高は相変わらず7割ぐらいある。
が、保有分は減っているはずである。
外国人ではなく国内勢の影響力が増しているはずだ。
国内勢の影響力で株式市場が動く構図は、この10年来日本にはなかった。
今回が初めてである。
そういうことから見れば「新時代の到来」はまんざらないことでもない。
来年日本のデフレ脱却が成立しつつある兆候があれば、これが先進国では最大の事件となろう。
そのためには消費物価や人件費が上がらなければならない。
その兆候は、消費物価と人件費の上昇に現れるであろう。
新時代の到来とて慌てることはない。
「後(ご)の先(せん)」で構えていればいい。
ただし、兆候を見逃してはいけないと思う。
それは消費者物価の値上がりと人件費の上昇である。
そうなると「平時の大幅人員整理」を敢行したメガバンクなどは、将来、金利上昇の折には「大通りに転がっている穴株」となる可能性もある。
この連載について | |
![]() 初回を読む |
半世紀にわたる実践投資で得たリターンはおよそ5億円。 博識ゆえ、哲人投資家といわれる著者が実践する、普通の人では看過してしまう独自の習慣とは?どんな相場でも負けない、投資の行動原則とは? 有料メルマガ「まぐまぐ」のマネー部門第1位! 不動の人気を誇る週報「投機の流儀」から、投資に役立つ貴重なセンテンスをセレクト! |
【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。
電子書籍を読む!