投機の流儀 セレクション【vol.42】市場は政局リスクを一番気にする

市場は政局リスクを一番気にする

市場は元々不透明なものであるが、政治不透明を一番嫌う。
海外投資家にとっては、フランス、ドイツの議会選挙で政権側の得票が伸び悩んだことは記憶に新しい。
日本でも政治リスクが顕在するという連想が動くのは当然であろう。

衆院で各委員会の委員数などを踏まえ、国会を安定的に運営できる議席は244議席である。
解散前はそれを上回る322議席あった。
もし過半数割れでアベノミクスがリセットされれば、金融緩和の方向性に疑念が生ずる。
しかも来年春に黒田日銀総裁が任期を迎え、後任選びを含めて疑心暗鬼が広がることになる。

9月28日に衆院解散したが、野党側が小池党に合流し始めたため、「与党勝利で政権安定、アベノミクス継続」の楽観論が吹き飛んだ。
昨年の4月、東京都知事選に小池氏が立候補すると聞いた時から筆者は、10数年前からの彼女の、権力に擦り寄る巧みさ・行動力と弁舌の才・故意に敵をつくって挑発して人気を集める劇場型政治の天才、などを含めて小池都知事の出現は将来の政局不安の要因になることを語ったり書いたりしてきた。
もちろん本稿でもそれは述べた。
不幸にもその通りになってしまった、あるいは、それ以上になってしまった。

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この連載について

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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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