偶然は予知出来るのか?――相場観を磨く上で決して無視できないテーマである
「因果関係」と「相関関係」とは違う。これは良く勘違いされる問題だ。
市場は「因果関係」・「相関関係」・「偶然」、この三つが織りなす人間模様である。
ツキは事前に予知することは出来ないか?もし予知出来る方法があればツキのときだけカジノで賭ける、という考えが確率論の研究になった。
中世ミラノの医師で数学者で大ギャンブラーのジェロラモ・カルダノと言う人が確率論を創始しガリレオが引き継ぎ、パスカルによって発展した。
動機は異なるがオペレーションリサーチ(OR)もこれと無縁ではない。
ORは元々戦争の戦略研究から始まったが、それがビジネスに応用されるようになった。
普通ORとは「行動の決定に対して数量的判断を与える数学的・物理学的方法」ということになっている。
武隈良一氏はその著書「偶然の数学」(河出書房新社)の中で、行動の目的に適するように運用の方法を数量的に規定することがORの目標だと述べ、それは6項目からなるとして次のように説明している。
①問題を定式化すること ②研究している体系を表す数学的モデルをつくること③モデルから解を説くこと ④モデル及びそれから導かれた解をテストすること ⑤解に関する管理を確立すること ⑥解を実施すること、である。
ORについてはその他にも「モンテカルロ法」「ゲームの理論」「確率過程論」なども用いられている。
モンテカルロ法は数学的モデルを設定しがたく、従って理論的には解けない問題に対して実験をたくさん繰り返すことによって解答を出すやり方である。
もちろんコンピューターを使わないと出来ない。
従ってモンテカルロ法とは「不確実性を伴った複雑な問題を確率論的に処理するために行うシミュレーションの技法と考えて良い。
もともとアメリカの物理学者たちが中性子の拡散という難問に取り組んだことから始まる。
このモンテカルロ法は理論的には解けない問題でもコンピューター上の実験を何百万回も繰り返すだけで解くこと出来るので、数学的・物理学的な数式を導いたり、それを解いたりする必要がないという利点がある。
この連載について | |
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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。
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