マネーは踊るか――「解散=買い」のアノマリー
株式相場というものは本稿で何度も述べた通り、ルーレットやダイスのように一回一回の事象が独立して動くのではなく、過去を記憶して動く生き物である。言うまでもない。先週の連日高値更新は一昨年の大天井高値に迫ろうという動きもあったが、これは①吹き荒れた解散風が機動力となり、②欧米株高、③円安、④空売りの買い戻しがその機動力となったと思う。
「解散から選挙までは株は高い」というアノマリーがやはり生きていると見なければならないであろう。
外国人買いが久しぶりに膨らんだ。これは解散=買い、選挙までは買い、というアノマリーがもたらした現象であるが、国内投資家は海外の安くなった通貨とか、10%の高利子のA格付け(ex:欧州復興開発銀行債券、アフリカ開発銀行債券)などを買うという動きに、日本の長期投資家は海外に物色の目を向け始めた面も少なくないと思う。今さらトヨタや日立やメガバンクなど This is Japan 銘柄を買う気はしないであろうから、成長力に乏しい日本の大型株の代替投資(オールタナティブ投資)を考え始めた人も少なくないと思う。
「解散から選挙までは買い」というアノマリーに振り回される小さい動きではなく、地球上の色々な国に目を向けて、投資して行く時代になった気がする。吹き荒れた解散風=株買い、というアノマリーに外国投資家の買いが膨らんだが、こういう売買は単なる条件反射に過ぎない気がするが、どうであろうか。
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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。
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