民進党の自壊作用
日経新聞の先月の「私の履歴書」は自民党副総裁の高村正彦氏であった。
彼は8月25日付の当該欄で、「(民主党は)3年も経てば自滅すると確信していた」と述べている。
筆者は「1年で自滅する」と当時述べたり書いたりしてきた。
よく3年も保ったものだと今になっても思う。
その3年間に日本経済はかなり損傷し劣化した。
しかも、東北震災・原発事故という大きな悲劇に見舞われたのが民主党政権下だったということが日本が抱える大きな悲劇のもとにもなった。
筆者が、何故民主党が1年で自滅すると思ったかというと、
①鳩山氏が総理になった途端に米国に喧嘩を売った
これは、重要な自壊作用要因だった。
米軍普天間基地の移設問題で米軍と話し合いもつかないうちに、「最低でも沖縄県外」とデマカセを言って、オバマに「私を信じて下さい」“Trust me.”と言って、オバマは“Off Course”とこたえたが、実は下準備も何もなくデマカセに言っただけなのだ。
民主党の最初の国家予算のことを、「命を守る予算」と命名したいと言いながら、安全保障条約をぶち壊そうとした。
アメリカは「大人」だったから、政治のド素人が売った喧嘩に対して軽く受け流していた。
②「無駄遣いをなくせば、17兆円弱の財源を生み出せる」と豪語していた
金庫を開けたこともない者が、金庫の中身を知らずにデマカセを言ったのだ。
しかも無駄をなくすための「仕分け」という茶番劇を演じ、あろうことか蓮舫あたりを「仕分けの女王」と祭り上げ、テレビカメラを入れて、浅はかな問答をそのまま国民に流した。
失笑を買うどころの騒ぎではない。
これではテレビのワイドショー以下のお笑い番組ならばよいが、大失政の茶番劇をテレビカメラで映してみせた。
そして、蓮舫は「1番でなければダメなのですか?2番ではダメなんですか?」と浅はかな質問をして、それがあまりに浅はかだったために話題になったので、彼女は気を良くして、それを本のタイトルとして出版した。
当初書店に平積みになったが、さすがに誰かに忠告されたらしく、それはすぐに引っ込めた。
などということで筆者は「1年で自滅する」と見ていたが、高村氏は玄人だから「3年で自滅」と書いていた。
この方が的中した。
ところで今度の民進党も決して与党にはなれないと思う。
なれない確率は100%だ。
また、一応は野党第一党でいられるだろうけれども、「野党連合」という薩長同盟はまず絶対に不可能であろう。
前原氏はともかくとして枝野氏の言い分を聞いていると、それは明確である。
もっとも前原氏は京都大学・松下政経塾を出ただけで、世間に出たことが一度もない。
これも政治のド素人である。
決して薩長同盟はできない。
安倍首相としては極めて御しやすい相手であろう。
だが、本稿で何度も述べるように、健全野党がいなければ真の議会制民主主義は育たない。
この連載について | |
![]() 初回を読む |
半世紀にわたる実践投資で得たリターンはおよそ5億円。 博識ゆえ、哲人投資家といわれる著者が実践する、普通の人では看過してしまう独自の習慣とは?どんな相場でも負けない、投資の行動原則とは? 有料メルマガ「まぐまぐ」のマネー部門第1位! 不動の人気を誇る週報「投機の流儀」から、投資に役立つ貴重なセンテンスをセレクト! |
【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。
電子書籍を読む!