投機の流儀 セレクション【vol.35】名門企業東芝の仕手株化、長期投資に好機が来るという見方

東芝の東証二部への転落で指数連動投信の売りが殺到し、極端に安値が示現すれば一つのチャンスかと見ていたが、何と海外のヘッジファンドが群がって、既存株主の指数連動投信の売りを海外ヘッジファンドが全部吸収した形になった。
したがって株価は下がらなかった。8月10日監査法人から「限定付き適正」の意見を受け取り、目先の上場廃止の危険をひとまず回避した。
大量保有報告書で米キング・ストリート・キャピタル・マネージメント※が東芝の発行済み株式の5.8%を保有していると判明した。

※このファンドはニューヨークを本拠に約2兆1000億円を運用する巨大ファンドで、「徹底して表舞台には出ない方針であったが、これの登場は「東芝株の質的変化」を象徴しているのではないかと筆者は感じている。このファンドは財務内容が悪化した企業に集中投資するという戦略で利益を上げてきたファンドだからだ。
経営破綻したリーマンブラザーズの債権に投資した実績もある。こうしたファンドは短期で売り抜ける手法はとらない。極端に割安になった企業の株式や債券に触手を伸ばし、長期戦で値上がり益を狙うことが多い。

私事にわたるが、筆者はこのやり方で既述の西武鉄道の上場廃止寸前に買い13年保有したが利益を上げた(上場最終日484円の買い→再上場初値1,600円の売り。その後3,000円まであったが)。
東芝株は半導体メモリーを2兆円で売却できれば、債務超過を考慮しても今の株価は割安という判断になる。
ちなみに半導体メモリーを2兆円で売却する話しが出たときに、筆者が計算してみると、2兆円を発行株数で割り算すると475円になった。昨年後半のことである。偶然に12月に475円まで上がった。
この符合は偶然でないような気がする。前述のファンドのような存在は、これを計算すると思う。

かつての名門企業東芝は、今は空売り禁止銘柄になっている。つまり仕手株としての最極致にいることになる。
普通、仕手株というものは、名門企業や一流企業からは出ないものだ。東芝が仕手株の代表になったことは、老年期相場は個別物色時代と称して中小企業が活躍し、派手な仕手株が登場することが普通であるが、東芝がそれを代表してくれたような感じがする。

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この連載について

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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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