7月18日に収録した動画で、筆者はバブルについて小一時間話した。
バブルとはどういうものか、どうしてやってくるのか、その結果がどうなるのかというような一般論を話した。
ところが、その4日後の22日の日本経済新聞の一面のトップ記事には「不動産マネー世界で過熱」「中銀は価格高騰警戒」という大きな見出しが出ていた。
不動産やインフラを投資対象とするファンドは、2017年上期に過去最高に達した。約10兆円だという(前掲紙)。
中国での不動産バブルの可能性は23日号でも述べたが、商業用不動産の潜在的な投資事業は20年までの4年間で約16兆円にまで膨らむと予想される(米不動産サービス大手のCBREの調査による)。
上海の住宅価格は平均年収の20倍以上にまで高騰し、東京のバブル期の18倍を超えた。
ファンドマネーが日本の不動産市場に流入している。
GPIFもファンド投資の準備を本格化し、今年中にインフラなどで実績をつくる考えだという。
株式より安定しているし、安定収入を得られる資産に代替していくという方針らしい。
金融危機から9年続いた世界的な低金利で、資産価格は既に高騰しており、そこに低金利で膨張し、しかも運用難になっているファンドのマネーが流入していることになる。
よく話題になる銀座の鳩居堂の前の地価が前年度比26%上昇し、バブル期の最高値を超えた。
商業不動産価格も金融危機前の最高の2割を超えたという。
ウォーレン・バフェット氏は「潮が引いてみなければ、誰が素っ裸で泳いでいたかは判らない」という比喩を使って、バブルは崩壊してみて初めてバブルだったと判ることになる、と言った。
繰り返すが既報で、大相場には必ず不動産の高騰が伴い、しかもそれは株価よりも遅行するものだ、上昇始動も価格下落も株よりも遅行するものだと述べた。
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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。
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