先々週末の状況ではS&P500が上値抵抗線を上抜けた。とは言え、200日線は下向きであり、それをS&P500が下から上抜けたので横長のX字型であり「ゴールデンクロス」とは言えない。60年代後半に日本に輸入されて流行った「グランビルの法則」(移動平均によるテクニカル分析)の言葉で言えば、「短期的・技術的な修正があり得る」というところであり、要は「ダマシ」の可能性だ。
しかもファンダメンタル面での象徴的出来事もある。アメリカで高度成長を続けてきたテクノロジー大手のアップルなどの5社が揃って最終減益を発表した(22年10月〜12月決算)。
日本株の先週週初は、騰落レシオで言えば「買われ過ぎのレベル」とされる「120%」を少々超えて129%弱。25日移動平均線は「買われ過ぎの5%」に近い3.55%の乖離率ということであった。騰落レシオというものは25日線との乖離率ほどアテにはならないが、一応は「買われ過ぎ」の目安とされる120%を2日続けて上回った。欧米の中央銀行会議や企業決算シーズンを控えて、目先の株価調整を警戒する動きが出ていると思う。
日経平均が高値圏内に停滞している中で、米FRBの公開市場委員会(FOMC)や企業決算の発表を控えて様子見のムードが先週前半を支配した。日経平均は昨年末と比べれば1300円上昇して、テクニカル面では多少の加熱さがあった。日経平均は小幅に続伸しながら、約1ヶ月半ぶりの高値水準で先週週初は始まった。
【目次】
【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)市況コメント
(2)NY株は上向きにトレンド転換したのか?「ダマシ」の可能性
(3)小型株指数が2ヶ月ぶりの高値
(4)米利上げ、停止時期探る動き
(5)米金利上昇一服で海外勢の買い
(6)今の市場は、来期以降の業績見通し難で短期売買に偏っている
(7)「『意外高』と見くびるな」
(8)先月の日経平均の動き
(9)先週前半の市況は一部の銘柄に売買が集中して、相場の先行き不透明感を反映した
(10)日経平均VIが、今年に入ってからは最低水準になった
(11)日本製鉄株についての修正
(12)「東電値上げ 関西より7割高」
第2部 中長期の見方
(1)習近平、2027年までに台湾侵攻の準備を行うよう軍に指示
(2)コロナ・米金融引き締め問題・ウクライナ問題
(3)異次元緩和から満10年、迎える変化は何か?
(4)中長期の需給関係は見通し難
(5)世界経済、薄まる悲観論と今後の下振れの懸念
(6)昨年10月〜12月の日本のGDPは2四半期ぶりのプラス成長
(7)「ダボス会議」で、世界経済が後退を免れそうだとの期待が出た
(8)「原発関連、採用4割増」
(9)一人当たりのシェルターが最も少ない先進国、日本
(10)黒田日銀を総括する
(11)黒田日銀の将来への影響
(12)日銀と市場の乖離
(13)日銀緩和にIMFが修正案
(14)賃上げと株価の関係
(15)バイデンの機密文書問題
(16)経済力によって、国際社会に影響を与えようとしてきた日本は軍備増強に舵を切った
(17)中国がGDPでアメリカを追い越す見通しはなくなった
(18)核戦争に発展するのではないかという不安
(19)少子化対策に三本柱、財源には社会保険料を想定
第3部 読者との交信蘭
広島のO様との交信
【重要なお知らせ】
「まぐまぐ!」でご好評いただき、殿堂入りの誉れを賜った「投機の流儀」ですが、このたびピースオブケイクの運営するコンテンツサイト「note」にも掲載する運びとなりました。
それにあたり、あらためて自己紹介代わりにインタビューをしていただきました。
ぜひともご笑覧ください。
なお、デンショバでの連載は、ピックアップ記事として継続することになっています。
引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。
この連載について | |
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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。
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