投機の流儀 セレクション【vol.19】トランプ政権のハネムーン期間は終わった

4月29日をもって100日間の所謂ハネムーン期間は終わった。この間はジャーナリズムも市場も比較的好意的に見るという風習があるが、市場は一時の陶酔から覚めている(本稿では最初から覚めていた)。

NYダウは4月19日に2カ月ぶりの安値、円相場はトランプ相場が始まった直後の水準に逆戻り、日経平均は約3,000円上がって1,5000円下がったところで足踏みして1000円上がった、こういう状態である。

円相場は先々週108円と5カ月ぶりの値段を付けたが、「安全な置き場」として円が買われて105円台まで上昇すれば、その後はいずれは円安に転じて中期的な円安シナリオは変わらないと思っていた矢先、111円台まで戻した。
トランプは選挙中は中国を為替操作国に指定していたが、北朝鮮問題で協力してもらわなければならない中国を為替操作国に指定するわけにはいかないと言い出した。市場は経済政策に期待しているが、トランプは軍事や移民問題に躍起になっている。
オバマケア法案の敗退はトランプと議会との最初の亀裂となった。

一方、堅調な米景気だが、小売りの売り高や新車販売などに弱い指標も増えてきた。ハネムーン期間の株価上昇は結局は4.1%に終わった。クリントン時代には及ばなかった。幹部人事も遅れた。

【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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