投機の流儀 セレクション【vol.18】経済政策は経済学分野ではなくて政治的営為である

経済政策は経済学分野ではなくて政治的営為である。そして金融市場はその影響をまともに受ける。

クラウゼビッツが「戦争論」で定義したとおり、政治の延長線上に戦争がある。
経済政策は政治的性格の故に戦争によって解決され推進される場合がある。
例えばアメリカ人は北部の工業政策と南部の農業政策の対立を奴隷の自由貿易をめぐって「南北戦争」を戦った。イギリスと清国はアヘンの自由貿易をめぐって「阿片戦争」を戦った。

市場の政策も政治的営為であることは多い。故に民主党政策ではだめなのだ。東京市場はそれを既に織り込んで風化させつつあるが。

例えばアフリカが何十年も成長できずにいるのは自然条件の故ではない。内陸国だからというならばスイスやオーストリアも内陸国だ。
最大の原因は政策である。
「自然条件ではなくて政策が問題だ」と言うのだからアフリカの未来を変えるのは割合に簡単であるはずだ。

日本の場合も同じであると考えたい。
しかも日本は無資源国と言う以外には自然条件は恵まれている。

我々はあまり意識しないが筆者がベトナムに行った時に「ドイモイ」(開放政策)について「我が国は海岸線が長いという利点がある」と盛んにPRして言っていた。
インドも「海のシルクロード」などと大航海時代から言われて海岸線の長さを利点とした。そこへゆけば我が国の海岸線はすこぶる長い。極東の果てに在るということも不利ではない。

自然条件でなく政策だと言うなら解決策はあり得るはずだ。

【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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