投機の流儀 セレクション【vol.163】上海株総合指数のインチキ性

2月4日に春節の連休明けで開いた上海証券市場は大幅急落で大きな窓をつくって始まった。その後3本の短い陰線があっただけで、連続陽線を12本示現して窓を埋めてなお高いところまで戻ってしまった。
しかし「相場は相場に訊け」はこの際は通用しない。もし通用するならば、中国経済は短期間で復活するということになる。ここで筆者が金科玉条としてきた「相場は相場に訊け」が上海指数については否定するのは、中国共産党が売り注文を一切禁止してこの戻り相場を強制的に示現したからである。
普通は、先進国ならば売り規制と言えば空売りの担保を上乗せするという程度のものであるが、中国共産党は現物の売りまで全てを禁止した一党独裁の国(国家ではなくて「共産党独裁王朝」)だからこういうことができる。したがって、上海指数のチャートは中国共産党が描いた絵であって、もはや罫線ではない。
 
【今週号の目次】
第1部 当面の市況
第2部 新型肺炎ウィルスの件
第3部 中長期の見方
第4部 個人金融資産と国家財務との関係—―学生時代のゼミ友との交信
第5部 読者との交信
 
【重要なお知らせ】
「まぐまぐ!」でご好評いただき、殿堂入りの誉れを賜った「投機の流儀」ですが、このたびピースオブケイクの運営するコンテンツサイト「note」にも掲載する運びとなりました。
それにあたり、あらためて自己紹介代わりにインタビューをしていただきました。
ぜひともご笑覧ください。

なお、デンショバでの連載は、ピックアップ記事として継続することになっています。
引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。
 

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この連載について

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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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