史上最長期政権の安倍政権はオリンピックは「花道」になるのか「追い込まれ解散」になるのか、「実績なき長期政権」、「挑戦目標なき長期政権」
オリンピック招致が決まったのは安倍政権就任後9ヶ月目のことで、安倍首相は自ら国際オリンピック委員会のアルゼンチン・ブエノスアイレスの総会にまで乗り込んで勝ち取った。「外交の安倍」が何か一つの効果をもたらしたならば、目に見える範囲としてはこれだけであろう。お祭り気分として国中が高揚するという意味では確かに「外交の安倍」の成果の一つとしても良かろう。しかし、これの経済効果はたいしたものではないし歴史に残る外交史でもない。
ところで、既報で述べた通り、「外交の安倍」も長期政権の佐藤政権が沖縄返還を果たした(これは歴史に残る成果だが彼が「昭和40年不況」を戦後初めての赤字国債発行で乗り切って「いざなぎ景気」を誘導し、且つ、その景気対策の財政出動は新幹線や高速道路のインフラにも寄与した、というような経済成果は「歴史に残る実績」としては忘れ去られる)とか長期政権の中曽根政権が三公社を全て民営化させたとか、こういう形に残る実績はない。
「実績なき長期政権」、「挑戦目標なき長期政権」ということの方が自民党内含めて票田からも飽きが来る。桜問題やモリカケ問題や汚職問題や閣僚の失敗などの「事件性のもの」よりも本質的な「実績なき長期政権」「挑戦目標なき長期政権」「改憲への挑戦を喪失した」ということの方が大きい。したがって「追い込まれ解散」を警戒する向きも出てくる。
内外の景気下振れリスクに備えて事業規模26兆円の総合経済対策を各方面に振り分けた。本来ならば下降相場の右肩下がりであっても財政状況が出れば少なくとも日経平均は大幅に値上がりしたものだった。その中で「失われた13年」の90年から03年の間に財政出動によって日経平均が6割上がったことは3回あった。今回は少なくとも株式市場に対しては不発だった。
小池百合子都知事の再選を阻む観点も合わせ7月5日の都知事選挙と衆院選挙の同日投票説もある。安倍首相が解散・総選挙に打って出た場合、総裁任期が少ない段階への真意を問う名目が論点になろう。改めて改憲を掲げ総裁4選目を辞さず実現を目指すという決意を麻生副総理が安倍さんに説得しているようだ。当の安倍さんも後継者としては岸田さんを眼中に置いているとのことだ(月刊誌「選択」1月号より)。
安倍・麻生・岸田の三派閥が組めば、自民党の過半数に届く。安倍首相が敵視する石破元幹事長は議員票の広がりを欠くが世論調査の支持率が高く、党員投票にも強い。1964年の東京五輪は閉会式当日に池田勇人首相が病を理由に退陣を表明し、佐藤政権が成立した。
【今週号の目次】
第1部 当面の市況
第2部 中長期の見方
第3部 「打診買いを始めた」との読者Iさんとの交信欄(2月3日受信。5日、質問者に回答)
【重要なお知らせ】
「まぐまぐ!」でご好評いただき、殿堂入りの誉れを賜った「投機の流儀」ですが、このたびピースオブケイクの運営するコンテンツサイト「note」にも掲載する運びとなりました。
それにあたり、あらためて自己紹介代わりにインタビューをしていただきました。
ぜひともご笑覧ください。
なお、デンショバでの連載は、ピックアップ記事として継続することになっています。
引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。
この連載について | |
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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。
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