投機の流儀 セレクション【vol.160】長期の見方の一つとして上場来安値を付けた日銀株

日銀株は現在ジャスダックに上場している。21日に3万300円を付けて上場来の安値を更新した。

将来のためにここでひとこと付言しておく。
日銀株(8301)は普通の株とは少々違う。しかし、何年に一度は大きな投資妙味がある。1949年東証再開と同時に再開し、店頭市場というところに上場したが今はジャスダックに上場している。資本金は1億円で政府が55%の筆頭株主である。したがって絶対に破綻はさせない。株が大暴落すれば今まで大量に買ってきたETFが下がるから債務超過になる可能性はある。一国の中央銀行が債務超過で上場廃止となれば諸外国はどう見るだろうか?
楽しみでもある。楽しみだ、などと、平気で述べる者は「非国民」(第2次大戦中に使われた標準語)だ、という人は筆者に言わせれば正義感依存症候群を患っている人だ。

将来のためにひとこと付言しておく(筆者が実行したことだ)。
この株は普通は動かないが、金融政策の大変化があった時に大幅に動く。安倍政権が誕生して「三本の矢」で第一の矢が「大胆な金融政策」とあったので筆者は3万円台でこれを買い、短期間で7万円台で売ったことがある。拙著にその詳細を開示した。その後は再び3万円台に戻って無相場になってしまった。本来は無相場の株であるが、金融政策の大変化があった時に大幅に動く。

アベノミクスが始まる前は3万円台だったものが安倍政権が12年12月に成立して翌年3月には9万4000円を付けた(約4年半ぶりの高値だった)。3万円台が9万円台になる。今すぐ買えという意味ではない。金融政策の大変化があった途端に2倍になるから、その予兆(金融政策の大変化の予兆があった直後で、株価が上昇する先に買うのだ。これこそ筆者のよく言う陰流の極意であるところの「後の先(ごのせん)」である。その時のために今から付言しておく。
 
【今週号の目次】
第1部 当面の市況
第2部 中長期の見方
第3部 ゴーン氏が仕掛けた情報戦、これに迂闊に乗った日本のメディア(特に朝日新聞)と森雅子法相の愚かさ
第4部 景気循環、そのサイクルから考える見方(株価変動で言えば専ら日柄から見る見方)
 
【重要なお知らせ】
「まぐまぐ!」でご好評いただき、殿堂入りの誉れを賜った「投機の流儀」ですが、このたびピースオブケイクの運営するコンテンツサイト「note」にも掲載する運びとなりました。
それにあたり、あらためて自己紹介代わりにインタビューをしていただきました。
ぜひともご笑覧ください。

なお、デンショバでの連載は、ピックアップ記事として継続することになっています。
引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。
 

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この連載について

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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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