投機の流儀 セレクション【vol.159】流動性相場の正念場――この難局の過ごし方

自らのカネで市場活動しないで評論だけをしている人たちは、相場下落して大底圏内に来ると「難局時代」「株式氷河時代」という。 だが、待ち伏せ組にとっては、そこが一番おいしいところなのだ。高値圏で張り付いている今の方こそ難局であろう。今の過ごし方が将来の「おいしいところ」へ来た時の行動を決める。一足一刀の間境(いっそくいっとうのまざかい)を意識して過ごしたい。

米国発のカネ余り相場である。まさしくそれであり、それでしかない。カネ余り相場を頼りにしてきた日本株市場は正念場に来ているような気がする。18年10月2日に付けた2万4270円という老年期相場の大天井としてきた場所に来ると、その寸前に来るとあと200円というようなところへ来ては跳ね返される。プログラムに仕掛けてあって自動的に売りが出る仕掛けになっているのであろう。

株価収益率は先週半ばは14倍で、これは18年10月の「大天井」の13.9倍を超えている。ここで21年3月期決算がV字型回復となれば予想PERは下がることになるが、今の株価水準からさらに上に行くためには21年3月期の日本企業の決算が大幅回復でなければならない。これが条件となる。ところが、投資家は世界景況感の底入れに自信を持てないし、21年3月期の大幅増益に自信を持てない。半身の構えでカネ余り相場の銘柄を横目で見て大底至るまで何もしないか、あるいは「今年の高値は2万7000円」の説を想定して銘柄選択しながら少量ずつ手を出すか、今こそ、そういう目で市況を見ていなければならないであろう。
 
【今週号の目次】
第1部 当面の市況
第2部 中長期の見方
第3部 米中戦争の本質 (既報の続き)――「習近平王朝」の経済力の持続力
 
【重要なお知らせ】
「まぐまぐ!」でご好評いただき、殿堂入りの誉れを賜った「投機の流儀」ですが、このたびピースオブケイクの運営するコンテンツサイト「note」にも掲載する運びとなりました。
それにあたり、あらためて自己紹介代わりにインタビューをしていただきました。
ぜひともご笑覧ください。

なお、デンショバでの連載は、ピックアップ記事として継続することになっています。
引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。
 

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この連載について

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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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