投機の流儀 セレクション【vol.101】カルロス・ゴーンを生んだフランス経済界の腐敗体質

カルロス・ゴーンを生んだフランス経済界の腐敗体質

フランスは世界第6位の経済大国であるが、経済界と政界の関係が緊密なのはルノーだけではない。石油大手トタル、フランス電力、タレス(防衛産業)などのようにフランス経済を支える有力大手企業の大半が国策企業だからである。ルノーの場合はゴーンが最高経営責任者に就任する以前は政官界の出身者が経営陣を占めていた。ジョルジュ・ベス元会長は原子力産業から転身してきたが、極左過激派に暗殺された。
フランスの政・官・財界を渡り歩く経営者たちはどういう経営手腕を持っているのだろうか(在欧大手紙経済記者は「コストカット(筆者註:コストダウンではない)以外の方針を見たことがない」と言う(雑誌「選択12月号」)。「彼ら経営者たちは私腹を肥やし、業績に関係なく会社を渡り歩き、政治家と混じり、死ぬまで豊かに暮らす。こういうことでやっていてけるのは腐敗した政府のおかげだからだ」(前掲誌12月号)。

【今週号の目次】
(1)当面の市況と中勢的な流れ、1;下値支持線に届いてしまう可能性
・当面の市況と中勢的な流れ、2;―米利上げ打ち止めなら株は大天井だ
・当面の市況と中勢的な流れ;3――想定外リスクに備え、ヘッジ売りは1ヶ月ぶりの水準
・当面の市況と中勢的な流れ;3――長期金利が急低下
(2)中性的な見通し;米利上げに絡むシナリオ
(3)NY高株価を政権への評価指標だと重視するトランプ
(4)流動性相場は終焉に近付いている
(5)「米FRBの利上げ打ち止め観測」=「日米株価への警鐘」と解釈すべし
(6)米景気の寿命はいつまで続くか
(7)FRB、利上げ打ち止めを示唆か
(8)国内好景気、来年1月で史上最長を記録
・国内好景気、戦後最長記録、その陰に潜むリスク
(9)米中貿易は楽観できない— 軍事覇権の問題があるから簡単には収まらない
(10)日本時間で2日にあった米中首脳会談の続き
(11)「景気の循環、株式市場の循環、このサイクルに注目することが最も容易な金融資産構築への道である」ということについて;続き
・株価は景気変動に先行する―故に景気循環を見ていて「景気の谷」(内閣府が事後に言う)を付ける前の「景気の収縮期」(内閣府が発表する)に「株の大底」は来る。
(12)日本人から見た米共和党と米民主党
(13)トルコリラ為替相場の概略
(14)ゴーン逮捕の件
・ゴーン逮捕は複雑な問題を含む
・ゴーン元会長の逮捕で浮き彫りになったことなど
・カルロス・ゴーンを生んだフランス経済界の腐敗体質
(15)日産自動車事件で“一投資家として”思うこと――株を買う時期というものは全体の大底(そういう時期は6,7年に一度または10年に一度しかない)を迎えなくても、個々の銘柄で好機は必ずある
(16)改正入管法が成立、来年4月から適用、「外国人労働者」に思うこと
・ゼミの同期で公認会計士事務所長K氏からの私信(12月7日)
本稿の上記の件と大いに関係あるから友人からの私信を掲載する。
(17)今回のG20は事実上は失敗に終わった
(18)来年日本が議長国になって行われるG20の成否は安倍首相にかかっている
(19)DJ-【コラム】ファーウェイ幹部逮捕、米中企業に大きな犠牲か
(20)韓国、慰安婦問題と徴用工問題について

【来週以降に掲載予定の項目】
○来年の株式市況を占う諸材料
○四島返還はなるか?安倍さんは24回もプーチンに会っても握手して帰るだけで何もツメてない。文書化できない。「外交の安倍」とは笑わせる。結論から言えば2島も戻らないだろう。

【重要なお知らせ】
「まぐまぐ!」でご好評いただき、殿堂入りの誉れを賜った「投機の流儀」ですが、このたびピースオブケイクの運営するコンテンツサイト「note」にも掲載する運びとなりました。
それにあたり、あらためて自己紹介代わりにインタビューをしていただきました。
ぜひともご笑覧ください。

なお、デンショバでの連載は、ピックアップ記事として継続することになっています。
引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。

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この連載について

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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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