お地蔵さんぽ【vol.44】愛宕地蔵尊@柳井市

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

愛宕地蔵尊@柳井市

父の七回忌で山口県防府市にある実家へ帰った。母親は老人介護施設にいるので、実家には誰もいない。弟夫婦がやってきて、その後、お和尚さんが来られた。父は平成25年8月26日に亡くなったのだが、6年後に七回忌が行われる。お経などをあげてもらい和尚さんがなぜ、6年目が七回忌なのかという説明があった。仏教にはゼロという概念がなく、最初が1なのだそうだ。なので、6年目が七回忌。十三回忌は亡くなってから12年後だ。

弟夫婦とともに母がいる施設へ行った。無事に七回忌が終わったことを報告。それから、東京へ戻る途中、山口県の柳井市で宿泊することにした。

弟に今晩は柳井に泊まると言ったら、「金魚ちょうちんの街じゃね」と返された。なるほど、駅について宿まで歩く途中に金魚ちょうちんがたくさんあった。

翌朝、市内を散策。古い街並みを残している場所があった。こじんまりとして散策するのにちょうどいいサイズだ。柳井は古い町で柳井川の北側は室町時代から栄えていたそうで、川による物流の拠点だったそうだ。その柳井川にかかる宝来橋(ほうらいばし)のところにお地蔵さまがいらっしゃる。

お賽銭をあげ、手を合わせる。

花が供えられている。よくお世話されているようだ。

足元にはお菓子が供えられていた。

説明書きがあった。このお地蔵さまは「愛宕地蔵尊」というお名前のようだ。また、防火の守護神ということで、火伏地蔵ともいうらしい。というのも、江戸時代にはこの一帯に4度の大火があったのだそうだ。それもあって、火災が起きないようにという願いをもとに近隣の町の人々によってこのお地蔵さまを建てたのだそうだ。
宝暦年間に(1751~63年)に建てられたようだ。歴史のあるお地蔵さまだといっていい。ここには身長も書かれている。152cmだ。ちょっと背の低い女性くらいだろうか。大きく見えるけれど、意外と背が低い。
花崗岩でつくられたお地蔵様はここに書かれているように容姿端麗だ。

なるほど、よく見ればイケメンのお地蔵さまだ。昔からこのあたり一帯の人々を守り続けているんだね。そういうことを考えると身近な存在ではあるけれど、偉大なんだなと思う。また、歴史の中に埋没しているわけではなく、今でも現役でそこに立ち続けているところは頭が下がる。ということを考えながら再び手を合わせた。
 
 

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【引っ越しのお知らせ】
当サイトにて連載中の「お地蔵さんぽ」は、ピースオブケイクの運営するサイト「note」への引っ越しすることになりました。

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この連載について

初回を読む
人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。