投機の流儀 セレクション【vol.83】「史上最大の悪だくみ」

「史上最大の悪だくみ」

1985年プラザ合意を、本稿では標題のように述べてきた。
「史上最大の作戦」は連合軍によりノルマンディー上陸作戦だった。
それに匹敵する。

アメリカの対日貿易摩擦は通貨相場に介入という禁じ手・兼・奥の手を使って1ドル240円を10年後に一瞬79円台にまでさせた。
これは貿易摩擦を解決する裏技であったが、もう一つ別の意味があった。

当時は日本とドイツが強大な対米債権国となっていた。
中国はまだ小さかった。
日本とドイツと言えば、第2次世界大戦の日独伊の三国同盟の中の2ヶ国である。
しかもGDPの規模で世界で2番目3番目の国であった。
そうした2ヶ国が債権国どうしとして結託したらどうなるか、その恐れが米国にあったはずだ。

そこでプラザ合意で為替を操作し、日本を円高にして弱らせてアメリカを貿易増大で太らせる策にでた。
これはアメリカにとってはまんまと成功した。
プラザ合意は意図した通り作動し、日本はそれを境に過剰流動性を深めさせ猛烈な平成バブルをつくり出す結果となった。

これは一見国力があるように見えたし日本の経済力も当時最高ではあった。
GDPは7%成長した。
アメリカのこの企みを見抜けた者は日本の政・官・民間にはほとんどいなかった。
バブル処理のソフトランディングに失敗したのは90年前半であり、これは株価の景気の先行指標からはずしていたことが大きな原因になった。
しかし、それに輪をかけたのはプラザ合意である。

このよう為替相場の大変動は先進国には後にも先にもない。
オメデタイことには野村證券も「円高=国力の現れ=株高」という妙な論理を振り回して株式市場をリードした。
「シナリオ営業」と称する強烈なセールストークで全支店が一丸となって無理な営業を拡大し、強力な推進力が国力衰退の幇助犯の役割を果たしたと言わねばならない。

全国を覆う野村證券の強力な営業網は、強引な商法で個人法人を作動させプラザ合意から2年後には利益で日本一にとなり株価は上場以来の最高値を付け6,000円弱になり33倍になったという経緯がある。

【重要なお知らせ】
「まぐまぐ!」でご好評いただき、殿堂入りの誉れを賜った「投機の流儀」ですが、このたびピースオブケイクの運営するコンテンツサイト「note」にも掲載する運びとなりました。
それにあたり、あらためて自己紹介代わりにインタビューをしていただきました。
ぜひともご笑覧ください。

https://note.mu/touki

なお、デンショバでの連載は、ピックアップ記事として継続することになっています。
引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。

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この連載について

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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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