投機の流儀 セレクション【vol.119】黄昏ゆく株式市場

黄昏ゆく株式市場

この項目と似たようなことは先週も述べた。今週は具体的な事実から述べよう。個人向けの金融商品である投資信託の新規設定が激減しているという。昨年よりも2割以上も減った。これは民主党時代の3年間の長期低迷時代、1万円±2,000円の長期低迷時代から10年ぶりのことだという。
これが良いことなのか悪いことなのかはまた別問題である。東証は出来高売買金額が多ければ収入が多い仕組みになっているから東証にとっては良くないことであろうが、投資家にとって良いことか悪いことかはまた別である。

この投資信託の新規設定が減ったという背景には投資信託運用業者のビジネスモデルの転換が進んでいるからだという。次々と新しい型の投信を出しては顧客にそれに乗り換えさせ、その乗り換え手数料(多くの場合3%ぐらい。これは不動産仲介手数料が3%+6万円と概ね近い)、これを稼ぐのではなく一つの投資信託を長期でじっくり保有してもらうビジネスモデルへの転換だ。
御承知かと思うが、投資信託というのはその運用成績にかかわらず信託報酬というのが普通の場合は約1%運用業者に自動的に入ることになっている。野村證券の保護預かり資産が110兆円あり、2番目の大和証券は50兆円強あるが例えば110兆円の野村證券の顧客からの保護預かり資産のうちの10兆円が投資信託だとすれば、その1%つまり1000億円が毎月自動的に信託報酬として野村證券に入ることになる。乗り換えさせれば2~3%の手数料にはなる。乗り換えさせなくても信託報酬は入る。顧客に値上がり利益や配当利益をとってもらって信託報酬を長期間で稼ぐという、運用実績のある既存の投信をじっくり延ばす方針にビジネスモデルを転換しつつある。

【今週号の目次】
(1)中勢的な市況観――この期間の過ごし方が投資家の近い将来を左右する
(2)景気動向指数から見た客観的な基調判断
(3)平成から令和へ改元、令和元年はどうなるだろうか
(4)「魔の10連休」
(5)ふたたび言う「魔の10連休」
(6)売るべし、買うべし、休むべし、というが「休む」が一番難しい。
(7)当面の市況
 1 週末のNY高を見て週明けは高かろう
 2
 3 高揚感の乏しい年初来高値
 4 景気敏感株が主導で上げた3月相場
(8)NYダウは三尊天井(トリプルトップ)か、大幅上昇か
(9)BREXITを巡る市場の空気
(10)BREXITの行方
(11)平成に入ってからのドル円相場
(12)原油価格と日本株の関係――「裏の裏は表」となって、教条主義者の説いてきた通りになる可能性がある
(13)黄昏ゆく株式市場
(14)米長短金利逆転と株式市場
(15)トルコリラの動向について
(16)強い米国
(17)GEとGAFA
(18)米中戦争が実体経済に及び始めた
(19)東証改革に戸惑う企業経営者と投資家
(20)欧州景気は急速に落ち込む――ホンネを語る誠実さ
(21)証券界・地銀界の収益回復の目はスリム化と統合化に向か
(22)埼玉県Tさんとの交信(4月7日)
(23)広島O様からの「先導株」についてのご質問

【来週以降に掲載予定の項目】
 ○今年の参院選について――改元・消費税・不祥事――ここに竹下内閣時の参院選の既視感あり
 ○アベノミクスの金融政策を振り返る
 ○東証第一部上場銘柄の変遷

【重要なお知らせ】
「まぐまぐ!」でご好評いただき、殿堂入りの誉れを賜った「投機の流儀」ですが、このたびピースオブケイクの運営するコンテンツサイト「note」にも掲載する運びとなりました。
それにあたり、あらためて自己紹介代わりにインタビューをしていただきました。
ぜひともご笑覧ください。

https://note.mu/touki

なお、デンショバでの連載は、ピックアップ記事として継続することになっています。
引き続きのご愛読、どうぞよろしくお願いいたします。

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この連載について

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【著者】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年、シンガポールに生まれ、長野県で育つ。1961年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村証券入社。1974年、同社支店長。同社を退社後、三井ホーム九州支店長に就任、1983年同社取締役、1990年同社常務取締役兼三井ホームエンジニアリング社長。退任後の2001年、産業能率大学講師として「投機学」講座を担当。2004年武蔵野学院大学教授。現在、武蔵野大学大学院教授兼武蔵野学院大学名誉教授。投資歴51年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築。晩年は投資家兼研究者として大学院で実用経済学を講義。ラジオ日経「木下ちゃんねる」、テレビ番組「ストックボイス」ゲストメンバー。
著書『常識力で勝つ超正統派株式投資法』『大損しない超正統派株式投資法』など。
電子書籍『4億円投資家直伝 実践 金儲け学 チャンスを逃さない投資の心得39』『スゴい投機家に学ぶ、金儲けの極意12』『名言に学ぶ金稼ぎ法則 世界の賢人が語るカネの真実40』『クソ上司の尻馬に乗る7つの美醜なき処世術 なぜ、イヤなやつほど出世が早いのか』『詐欺師に学ぶ 人を惹きつける技術 仕事に効く人付き合いのポイント44』『投機学入門』『投資詐欺』『常識力で勝つ 株で4倍儲ける秘訣 投資で負けない5つの心得』『会社員から大学教授に転身する方法 第二の人生で成功するための「たった3つ」の必勝ノウハウ』『株式投資の人間学 なぜ、損する株を買ってしまうのか』など。

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