お地蔵さんぽ【vol.43】地蔵院@元浅草

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

地蔵院@元浅草

今回ご紹介するのは元浅草にある地蔵院というお寺。地蔵の名前のついたお寺だけに、ちゃんとお地蔵さまもいらっしゃる。

元浅草に住んでいる知り合いが、自己紹介をするときに「元浅草に住んでいます」と言うと、「今はどこにお住まいですか?」と言われるというジョークを言っていたことを歩きながら思い出した。
元は浅草にいたんではなく、元浅草という住所なのだ。
そんなことを思いながら歩いて地蔵院へ向かう。
暑い夏の日で汗がしたたる。

まずは、お賽銭をあげ、お参りをする。
奥にお地蔵さまがいらっしゃる。

こんな立派な六地蔵を見たのは、初めてかもしれない。
それぞれ持ち物も違うし、何も持たず手を合わせていらしゃるものもある。
かなり新しいもので、立派だ。
すぐに隣に建物があるので、引きの絵が撮れないので、逆側からも一枚。

六道に迷うものをすくってくださるというお地蔵さま。
それぞれの個性が出ている。
そばにはこんな碑もあった。

「おんかかび さんまえいそわか」
お地蔵さまを拝むときに唱える言葉だ。
さらに六地蔵の奥にはもっと時代の古いお地蔵さまがいらっしゃった。

浄名院というお地蔵さまがものすごい数いらっしゃるお寺を紹介したことがあるけれど、こちら地蔵院は数ではなく、なんともお地蔵さまへの愛を感じる。

こちらの歴史があるお地蔵さまの周辺には小さなお地蔵さまが置かれている。

飲み物などが供えられているが、ペットボトルのふたが取られていたり、ストローがさされていたり、すぐに飲めるようにお供えするのだというのがわかった。
賽銭箱がある。
お賽銭を入れて、お参りをする。ちょっと心が和やかになるお地蔵さまだ。

夏の暑い日に汗を流しながらのお参りもまた楽しい。お供えの飲料を思わず飲みたくなったが、もちろん我慢して、コンビニを探した。
夏の日、お地蔵さまをさがしながら歩く散歩は熱中症に気をつけたい。
僕は夏の散歩といえば、日傘をさして歩いている。
日傘を使い始めて、もう10年になるが、最近は日傘をさす男性も増えてきた。

実は昔のお百姓さんがかぶるような笠をかぶって出かけることもあるが、これは風を通さないので、けっこう暑い。
そういえば、こういう傘って、日よけよりも雨や雪をよけるものかもしれない。

そういえば、「笠地蔵」というおとぎ話があったなと思い出した。
 
 

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この連載について

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人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。