お地蔵さんぽ【vol.33】如意輪観音@台東区小島

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

如意輪観音@台東区小島

お地蔵さまというのは、散歩の途中で偶然に見つけることが多い。探しているわけではないのだけれど、ふと目の前に現れる。逆にこのあたりにないかと探して歩くと意外にお会いできなかったりする。

それを思い知ったのが、『散歩の達人』(交通新聞社)という雑誌で上野界隈のお地蔵さまをめぐるマップをつくったときのこと。
北上野や東上野あたりはどこのお地蔵さまがいらっしゃるか知っていたので、少しは荷を広げていくつかを探そうと御徒町方面から台東1丁目から2丁目にかけて歩いてみた。
ありそうな雰囲気なのだけれど、なかなか見つからない。佐竹商店街の休憩処で聞いてみたら、「この近くにはないけれど、小島小学校の隣にありますよ」とのこと。すれ違う他の方に聞いても同じ答え。

それで小島小学校まで歩いてみると、如意輪観音がいらっしゃった。

ここが如意輪観音であることは以前から知っていた。
というのもイングレスという陣取りゲームをやっているのだけれど、ここが陣取りゲームのポイントであるポータルになっていたから知っていたのだ。

今回改めてよーく、見てみれば、提灯にはっきりと『如意輪観音』と書かれている。
ネットで調べてみたら、読み方は「にょいりんかんのん」。観音様なのだ。どうやら、この中央にいるお方が、如意輪観音のようだ。

立て膝をついて頬をさわっている。そして、多くの花が供えられている。お線香や蝋燭を立てる場所もあり、よく見れば、お賽銭を入れるところもある。

花なども供えられていて、とてもよくお世話されているのがわかる。
主役の如意輪観音だけではなく、多くのお友達がいる。かつてこの界隈の辻々にいらっしゃったのか、もともとここにいらっしゃったのかはよくわからない。とにかくお賽銭をあげてお参りをした。

こちらのいろいろなお地蔵さまのようなものがたくさんいらっしゃるのはかつてはこのあたりにいらっしゃったものがここに集められたのかもしれない。お顔などが擦り切れているものもあるが、それがまた時代を感じさせる。
清洲橋通りと左衛門橋通りの間にあるこの界隈は空襲を受けなかった地域だそうだ。だからこうしてお地蔵さまも残っているのかもしれない。

どういう経緯でこちらのお地蔵さまがここにいらっしゃるかがわからなくても、手を合わせると、なんとなくお地蔵さまたちの声が聞こえるような気がする。そして、こちらの心も休まるのだ。

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【引っ越しのお知らせ】
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この連載について

初回を読む
人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。