お地蔵さんぽ【vol.13】背面地蔵尊

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

背面地蔵尊

東京メトロ、三ノ輪駅からすぐの場所にある吉野屋のところに、ヘンな看板を見つけた。

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よく見ないと、見逃してしまうような貼り紙がある。

近づいて見てみるとこんなことが書いてあった。

背面(うしろむき)地蔵尊。
おもしろいネーミングのお地蔵さまだ。
しかし、参道入り口と書かれているが、見れば、ビルとビルの間だ。
ここっ入っていってもいいのってかんじのところなんだけれど、行ってみよう。

進んでいくと、狭い道が道は先に続いている。

広いところへ出て、振り返ると、お社があった。

白い、真新しいお地蔵さまだ。
よく見ると、後ろに古いお地蔵さまがいらっしゃる。

大きな耳。
お顔はかなり擦り減っている。
それでも、この歴史のある石のお地蔵さまはなんとも味わいが深い。

後ろに貼られた紙には「創立一六四七年」となっている。
江戸時代の初めころだ。
この後ろの石のお地蔵さまが創建のころと同じなのかどうかは不明だが、いずれいしろここにお地蔵さまがそのときからここにいらっしゃるというわけで、時の流れの雄大さを感じるね。

説明書きがあった。

その昔、上野から奥州へ向かう旧街道に向かう傍らにこのお地蔵さまはいらっしゃったそうだ。
その後道筋が改まり。
後面の三ノ輪町通りが開け、旧道に面していた地蔵尊が後ろ向きに見えるので、この名称がついたのだそうだ。

なるほど、それで路地のような場所を通ってここまできたわけだ。
かつてはこちら側が栄えていたのだろう。
言い伝えいよれば、栄えている道筋にお地蔵さまを向けたところ、一夜にして、元に戻っていたそうだ。

お地蔵さまの後ろの紙には
唱える言葉が書かれていた。

オンカァカァカ
ビサンマエイソワカ

とある。
ネットで調べると、サンスクリット語で、お地蔵さまを拝む時に唱える言葉だそうだ。
さらに、ネットにはくわしい意味もあった。

オン=お願いします。
カァカァカ=お地蔵さまの笑い声
ビサンマエイ=稀有な
ソワカ=成就あれ。

なるほど、これからはお地蔵さまを拝む時にれを拝むといいのか。

そういえば、知り合いの山田参助さんという大阪出身の漫画家さんが、小さいころお地蔵さんを拝む時に「まんまんちゃん、あん」と言っていたそうだ。
おばあちゃんから教えられ、ずっとそうしていたという。

お地蔵さまの拝み方、いろいろあるようだ。
しかし、以前、ラーメン屋のオヤジさんが言っていたように形式ではなく、拝む気持ちが問題なのだろうと思う。

さて、背面地蔵尊からそのまま後ろに進むと、薬王寺の門があった。

裏から入り、表門から出ていく。
ちょっと不思議な気分になった。

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この連載について

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人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。