お地蔵さんぽ【vol.8】貧乏が去る像「桃太郎電鉄」@東京・谷中

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

谷中で「貧乏が去る像」の頭を撫でてきた

谷中を歩いていると、妙泉寺の境内に面白い石像を発見。お地蔵さまではないけれど、おもしろいので、紹介したいと思う。

「貧乏が去る像」という名前が刻まれた石碑が建ち、その横には貧乏神の頭の上に猿が乗っている。まず、貧乏神の頭を撫でて、猿の頭を撫でると貧乏が去るそうだ。

僕は貧乏なので、一生懸命に貧乏神の頭を撫でて、そのあと猿の頭を撫でた。

貧乏神の頭にのっかっているのが、「猿」なので、貧乏が「去る」というシャレなのだ。
しかし、このユーモラスなキャラクターはなんなんだろう。
さらに石碑にはこう書かれていた。

〈貧乏神をこらしめる猿は、一説によれば、四天王のひとり、 毘沙門天の化身ともいわれております。 毘沙門天は、仏法を良く聞いたことから多聞天と呼ばれ、 福徳の天女、吉祥天を妃とした神さまで、 仏像の毘沙門天は貧乏神を踏みつけていることでも有名です〉

なんだか、けっこうまじめに解説をしている。
さらに、こう続く。

〈妙泉寺の「貧乏が去る像」は国土安穏や 訪れる方々の富貴繁栄を祈念するものでございます。家は富み、心は元気、幸福になりますようお参り下さい〉

この石像のことを知っている人は知っているようで、ここまで読んで、「ああ、あれだよ」って思った人も多いかもしれない。
僕はまったくわからず、WEBで検索してみた。すると、これって、ハドソンが発売している「桃太郎電鉄」というゲームのキャラクターなのだそうだ。
そして、この石像は、現在、全部で3体あるのだそうだ。他の2体は、JR予讃線鬼無駅とJR九州佐世保線佐世保駅にあるのだそうだ。

貧乏神というのは、日本の昔話や落語などに登場する神様で、憑りついた人間や家を貧乏にする。貧乏神とはかかわりたくないと思うのが当足り前だけれど、神様には違いないので、避けるというよりもうまくつきあう方法を考えるといいかもしれない。
実際、貧乏神と福の神は表裏一体、いいこともあり、悪いこともあるのが人生でしょう。人間万事塞翁が馬ということで、くよくよすることがよくないのかもしれない。ちょっと嫌なことがあったときにでも、妙泉寺の貧乏神と猿の頭を撫でてみてはどうだろう。

昔ながらのお地蔵さまもいいけれど、こういった現代風の石像も楽しいものだ。ちななみになぜここにこの石像があるのか、理由はよくわからなかった。また、妙泉寺では、貧乏が去る像の貯金箱を販売しているそうだ。お参りしたついでに買い求めてもいいかも。

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この連載について

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人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。