トーキョー・レガシー・ワンダーランド【vol.18】坂町@四ツ谷

巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。
懐かしくて心惹かれる、うるわしの東京アーカイブズ。

* * *

坂町@四ツ谷

引き続き四谷の写真だ。
かつて住んでいた四谷コーポラスにほど近い場所に坂があって、そこは坂町と呼ばれていた。
家で仕事をする生活だが、当時はほとんどが外食で、余裕のあるときはしんみち通りまで出かけたが、急いでランチをすませたい場合は、近所であるここ坂町にある飲食店で食事をしたり、弁当を買ってきたりした。

そういえば、四谷に住む前に坂町にやってきたことがある。
それは、AZZLOというフェティッシュなグッズや衣装を輸入販売していたお店だ。
新宿で何人かで飲んでいるときに、なぜかAZZLOへ行こうということになり、タクシーで行った覚えがある。
当時、AZZLOは、フェティッシュなカルチャーをリードしていた。
ロンドンから輸入したというラバースーツなど、当時はまだ珍しくて、店にあるものすべてにドキドキした記憶がある。
ただし、値段は高く、気軽に買えるようなものではなかった。
90年代のはじめ頃だった。

四谷の本塩町に引っ越した時、AZZLOはすでになくなっていた。
靖国通りにあった喫茶店の女将に「たしか、AZZLOってこの近くにあったでしょ。ラバーの服とか売っていた」と聞いたら、「ああ、ヘンタイ屋ね」と言った。
近所の人にはそう思われていたのか。

2000年、坂の上から撮ったものだ。

少し坂を下って、振り返ったところ。


かなり坂を降りたところに弁当屋があって、ここでよく弁当を買っていた。

2018年、先日撮影してきた坂町の写真をご覧いただこう。

坂の上にあった説明板は新しくなり、道の逆側に移動していた。
そして、住居表示も以前は「坂町」だったが、今は「四谷坂町」になっていた。

坂の途中にあった案内板も新しいものに変わっていた。
そして、坂を下りたお弁当屋さんはまだあった。

昔は鮮やかだったお弁当屋さんの看板も色あせている。
かつて建物があった場所が駐車場になっていたりする。

坂の右奥に茶色い家があるが、ここはかつてお豆腐屋さんがあったところだ。

豊島屋豆腐店さん。
1999年、まだバリバリの現役だったころ。
僕もここで豆腐をよく買った。
また同じ豊島屋さんという名前で鶏肉店もあった。
鳥の唐揚げなんかを買っていた。
そういえば、当時、打ち合わせに来ていた編集者が坂の途中に魚屋があるので、そこで刺身を買ってくれば、みたいな話をしていたが、僕が引っ越してきた1998年にはすでになかった。
この豊島屋のはす向かいに生駒軒という町中華があって、何度か行ったが、いつしか閉店していた。

かつて住んでいた四谷コーポラスはこちら。

かなり古いアパートだったが、今回うかがうと建て替えの工事をしていた。

激しく変わる四谷であった。

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巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。