トーキョー・レガシー・ワンダーランド【vol.17】しんみち通り@四ツ谷

巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。
懐かしくて心惹かれる、うるわしの東京アーカイブズ。

* * *

しんみち通り@四ツ谷

四ツ谷に住んでいたため、昔の四ツ谷の写真はけっこう撮っていた。2001年6月2日のしんみち通りの写真だ。

しんみち通りを四谷駅側から入って少し歩いて、振り返ったかんじ。

文鳥堂書店は雑誌とかが表にあって、みんな立ち読みをしていたなぁ。もちろん僕もこんなかんじで立ち読みしてた。いろんな本や雑誌をここで買った。
文鳥堂書店は今はない。向かい側の「タイム」という喫茶店も今はもうない。

2018年6月5日のしんみち通りだ。

文鳥堂書店は2005年に店を閉じたようだ。僕は早稲田に引っ越していて、閉店になった瞬間は知らないが、久しぶりに四ツ谷にきて、文鳥堂書店がなくなっているのを知ったときはけっこうショックだった。

2014年5月20日にかつて文鳥堂書店があった場所を撮影している。
四ツ谷駅側から撮っているので、右側のお店がかつて文鳥堂書店があった場所だ。焼肉店だったか、ランチなどもやっている店に変わっていた。

それでもまだ三栄通りにあおい書店があったので、そちらを利用していた。しかし、そこもなくなってしまい、今はセブンイレブンになっている。

ビルの形がそのままなので、一瞬あおい書店がそこにあるような
錯覚にとらわれることがある。
よく使っていた書店がなくなると、なんだかショックだ。

昔は毎日のようにどこかの書店に行っていたのだけれど、それが徐々にいかなくなった。インターネットが普及し、ネットで本を買うようになった今はさらに書店へ行かなくなった。いや、あれば行くのだろうけれど、今住んでいるところにも近所に書店はない。昔なら買う買わないは別として、ふらりと書店に入るのは習慣のようなものだった。

東京でいろいろな町に住んだが、昔はどこも駅前へ行けば、必ず書店はあったし、家の近くにあることもあった。しかし、今は駅前にも家の近所にも書店はない。

昔ここが書店だったんだろうというところはいくつかある。同じように喫茶店や銭湯、町中華の遺跡もある。こういった遺跡もそのうちなくなっていくのだろう。町は少しずつ変わっていく。

しんみち通りに戻ろう。ここにバンビという店がある。カウンターだけの洋食屋さんだ。

「SINCE 1970」とある。四谷に住む前、麹町で仕事をする時期があって、そのころもよくここ「バンビ」にきていたし、四谷に住むようになってからもよくきていた。

しんみち通りの入り口には、「エリーゼ」という洋食屋があったのだが、ここはおいしいが、お昼時は行列ができるのだ。いま、経営者はおなじで、「かつれつ四谷たけだ」という店名に替わり、揚げ物中心のメニューとなっている。その店も行列店だ。

今も昔も家で原稿を書く仕事をしているのだけれど、四谷に住んでいるときは、ランチ時をずらして、しんみち通りにきていた。「エリーゼ」に行列がなければ、入ったが、たいてい行列ができているので、文鳥堂書店で雑誌や本を買い、斜め前のバンビへ向かった。たいてい、ハンバーグと白身魚のフライ、カニクリームコロッケの定食「バンビランチ」を食べていた。久しぶりに立ち寄ってみた。食券を買うシステムで、この日もバンビランチを食べた。

ああ、この味だ。懐かしいねぇ。800円。

〈店舗〉
バンビ 四谷店
10:00~22:00
無休

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巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。