トーキョー・レガシー・ワンダーランド【vol.11】入谷食堂@台東区

巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。
懐かしくて心惹かれる、うるわしの東京アーカイブズ。

* * *

入谷食堂

店によっては、昔の店舗の写真を飾っているところもある。
今回は、そんな写真の紹介から。

電柱に隠れて看板の最初の文字が見えないけれど、ここは言問通り沿いにある「入谷食堂」。
看板の文字がなんとも素敵。
車は昭和30年代頃のフォードだろうか。

訪問したのは2014年8月25日。
壁に飾られている写真を撮影させてくれとお願いしたところ、快く了承してくれた。
いつ頃の撮影なのかと聞けば、60年くらい前、今は80代になる女性が嫁入りしたときの写真だそうだ。
たぶん、3代目の奥様か。

ちなみにこの入谷食堂、創業は1923年(大正12年)だ。
初代は弁当屋として開業し、食堂となったのは2代目から。

その隣にも写真が飾られている。
店の照明が入ってしまっているが、入谷食堂が平屋から2階建てになった写真が飾られていた。

隣の笹川建具店はビルとなり、「株式会社 ササガワ」という看板が掲げられている。
昭和の終わりごろだろうか。
そして、2017年12月26日に撮影したのが、こちら。

入谷食堂は4階建てのビルになっていた。
角度を変えて見てみよう。

道を挟んだ隣のビルが株式会社ササザワのビルであることに変わりはない。
2階建ての入谷食堂を今のビルはに建て替えたのは3代目のときだそうだ。
ちなみに現在のご主人は4代目となる。

少し近づいてみよう。

この日も近隣のお客さんで賑わっていた。
昼間からビールを飲んでいるおっさんもいれば、定食を食べている人たちもいる。

この日の日替わり定食は「赤魚のかす漬焼き」「カレイの煮付」。
いずれも750円。

ちなみに前回の訪問は、

入谷商店街、金美館通り、あさがおロードを歩く (全文) [散歩] All About

という記事を書くためにやってきたのだ。
この記事でも紹介しているスギウラベーカリーが劇的に変わっていたので、こちらも紹介しよう。
前回、入谷食堂を訪れた同じ日、2014年8月25日の撮影だ。

いいかんじの歴史のあるベーカリー。
新宿中村屋特約店とあった。

それが、今回の2017年12月26日では、こんな感じになっていた。
真新しいテントだ。

新宿中村屋特約店の文字や看板がなくなっていた。

こちらのお店も入谷食堂同様に何度か利用させていただいたが、とにかく安い。
しかも、おいしい。
手作りサンドイッチがオススメ。
あ、でも、コロッケパンもカレーパンもおいしかった。

こうして街を歩けば、いろいろなお店の変化がわかる。

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この連載について

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巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。

【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。