トーキョー・レガシー・ワンダーランド【vol.8】歌舞伎座

巨大都市・東京の発展の裏側で、かつての街並みは急速に失われている。
ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
真のレガシーを求めて、今日も裏路地を歩く。
懐かしくて心惹かれる、うるわしの東京アーカイブズ。

* * *

歌舞伎座

2007年8月30日、オールアバウトの散歩記事を書くために銀座へ出かけた。

建て替えられる歌舞伎座の姿を見に銀座へ (全文) [散歩] All About

まだこのころは建て替えの話が出ていたけれど、工事は始まっていなかった。
当時の様子はこんなかんじ。

2010年に歌舞伎座は閉館し、取り壊しが始まる。
工事が終了したのが2013年。
2017年、10月26日に同じ場所から写真を撮ってみた。

ちょっと見た目には変わっていないのだけれど、後ろ側にドーンと高層のビルが建っている。
空を見上げるとこんなかんじ。

普通に歩いていると建て替えられたという感じがしない。
ファッサードをそのまま残し、奥の劇場部分を建て替えたのだ。
歌舞伎座は明治から平成までスクラップ&ビルドが繰り返されてきた。
ざっとふり返ってみよう。
1889年(明治22年)に福地源一郎らが中心となった新演劇運動により、歌舞伎座は生まれる。
1911年(明治44年)、歌舞伎座は丸の内にできた洋風の帝国劇場に対抗し、純和風に改装する。
ところが1921年(大正10年)に漏電により歌舞伎座は消失してしまう。
新しい歌舞伎座の建築にとりかかるも完成寸前の1923年(大正12年)9月1日に関東大震災があった。
資材などがまたまた消失。再び建設にかかり1924年(大正13年)の暮れ、今の歌舞伎座の原型となる桃山風の建物が完成した。
ところが、1945年(昭和20年)に第二次大戦の東京大空襲で消失。
しばらくは、手つかずの状態だったが1951年(昭和26年)に歌舞伎座が再興された。
その後は、前述した通りだ。
しかし、今回一番驚いたのは地下だ。
日比谷線東銀座駅から、そのまま歌舞伎座に行けるようになっていた。

これは便利。昔、よく歌舞伎座に通っていた時期があったが、その時はいつも地下鉄からいったん地上に出て、歌舞伎座へ入っていた。
記事の中にある、昭和2年創業のチョウシ屋さんは、今も存在していた。

記事では、コロッケパンとハムカツパンを買って食べたのだが、このとき他のお客さんがダブるコロッケを注文していたのを思い出した。

「切ってありますから」と渡された。
すぐ食べてもいいんだけれど、少し時間を置くと、おいしいんだね。
さて、2007年にもう一か所行っている。それは三原小路にある「時計台」というラーメン屋さんだ。

当時でさえ、時間が止まった感じの場所だった。「中華三原」が実にいい感じ。

この先に「銀座時計台」があった。

行ってみると、今も三原小路はあった。しかし、時計台があった場所は他にお店になっていた。

「中華三原」はまだあるけれど、「銀座時計台」はもうない。お昼時ということもあって、「中華三原」さんはけっこうな行列があった。
さて、帰宅して、チョウシ屋食べることにした。
ちょっとでかい。

お皿に入れていただく。

あー、これこれ、この味だ。食べ物って、食べてみると、その記憶がよみがえってくる。
衣がしっかりしていて、ここにソースがかけられているのだけれど、しっかりした衣が負けていない。
ホクホクとしたジャガイモがおいしいねぇ。
前のお客さんがカツサンドを注文しててそれもおいしそうだった。
次はカツサンドかな。

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この連載について

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ノスタルジックで心に残る街並み、建築物、飲食店…。
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【著者】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
著書『下関マグロのおフェチでいこう』(風塵社)、『東京アンダーグラウンドパーティー』(二見書房)、『たった10秒で人と差がつくメモ人間の成功術』『まな板の上のマグロ』(幻冬舎)、『歩考力』(ナショナル出版)、『昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』(共著、ポット出版)、『おっさん糖尿になる!』『おっさん傍聴にいく!』(共著、ジュリアン)、『町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう』(共著、リットーミュージック)など。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。
本名名義の著書に『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎)、『脳を丸裸にする質問綠』(アスキー)、『おつまみスープ』(共著、自由国民社)、『もしかして大人のADHDかも?と思ったら読む本』(PHP研究所)などがある。
電子書籍『セックスしすぎる女たち 危ないエッチにハマる40人のヤバすぎる性癖』『性衝動をくすぐる12のフェティシズム 愛好家たちのマニアックすぎる性的嗜好』『みるみるアイデアが生まれる「歩考」の極意 すっきりアタマで思考がひらめく40の成功散歩術』など。